最小兵エース1メートル66の樟南・山下が完封

[ 2013年8月13日 06:00 ]

<樟南・佐世保実>9回裏1死満塁、後門を併殺に仕留め試合終了となりバンザイする楠南・山下

第95回全国高校野球選手権1回戦 樟南1―0佐世保実

(8月12日 甲子園)
 1―0の9回1死満塁。樟南・山下が、一打逆転のピンチで9番・後門に小さな体を目いっぱい使って内角直球を投げ込む。三ゴロ併殺で試合は終わった。

 「今まで一緒にやってきた仲間を信じて、自分らしく打たせて取ろうと思った。持ち味の投球が最後にできた」

 身長は1メートル66。今大会49代表校の投手の中で最も小さい。直球の最速は134キロ。それでも、5安打に封じて、投手にとって最高の勲章1―0完封を成し遂げた。90キロ台のカーブ、110キロ台のスライダーに加え、冬場に習得したスクリューボールも大舞台で通用した。「打線が1点を取ってくれた。その1点を守ろうと思った」と気持ちを込め、141球を投げ抜いた。

 3年前の9月。「福岡ニュースターズ」でバッテリーを組んでいた緒方から「一緒に樟南に行こう。またバッテリーを組まないか?」と誘われた。「あの言葉が響いて樟南に決めた」。「壮助(緒方)」、「山ピー」と呼び合う6年目のコンビは、お互いを理解し合いながら夏に臨んでいた。

 6四死球と制球に苦しみ、5回までは毎回走者を背負った。それでも緒方から左足に体重を残すように助言されると、6~8回は変化球が低めに集まり3者凡退に抑えた。それだけに、「壮助と一緒に甲子園に出るのが夢だった。その舞台で完封までできて、凄くうれしい」と女房役への感謝を口にした。最小兵エースの夏はまだまだ続く。

 ▼阪神・大和(樟南OB、06年卒、三塁側アルプス席で観戦)勝ってくれて良かった。(阪神の試合がなくタイミング良く)観戦できてよかった。

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