木更津総合 鉄腕千葉が呼んだ一気7点逆転

[ 2013年8月12日 06:00 ]

<木更津総合・上田西>5回1死二塁、千葉は右前適時打を放つ

第95回全国高校野球選手権1回戦 木更津総合7―5上田西

(8月11日 甲子園)
 どんなに調子が悪くても、最後まで投げ抜く。それが鉄腕だ。9回、3点を返され、なお2死二塁。木更津総合の千葉はこの日最速の136キロ直球を投げ込み、空振り三振を奪った。

 「調子は悪かった。それでも勝てた。甲子園で勝つためにやってきた」。138球で5失点完投。千葉大会の準決勝、決勝で2日間、一人で計22回318球を投げた2年生右腕は胸を張った。

 1年生だった昨夏の経験を生かした。初戦の2回戦で優勝した大阪桐蔭と対戦。千葉は8回から2イニングを1失点で2―8で敗れた。「工夫しないと甲子園では打たれる」。試合前のブルペンから不調を自覚していた。「直球の調子が悪い」。変化球主体で投げ、得意のスライダーは77球を数えた。さらに投球時のテンポや足の上げ方を1球ごとに変えるなどしてタイミングを外した。「昨年経験している分、冷静に打者を見ることができた」と成長を実感し、五島卓道監督も「調子は良くなかったが、よく耐えてくれた」と目を細めた。

 2点を追う5回、打者11人の猛攻で7点を挙げて逆転した。千葉も「9番目の野手」として反撃に貢献。同点に追いつき、なお1死二塁から右前に決勝適時打を放った。5月中旬に右肩痛で千葉大会直前まで投げ込みができなかった。その間、25球のティー打撃を8セット、毎日行った。その成果が大舞台で出た。

 08年以来、5年ぶりの初戦突破。もう1勝すれば、その年の2回戦敗退を抜いて最高成績となる。「ここから昨年の借りを返したい」。千葉県生まれの千葉は力強く宣言した。

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2013年8月12日のニュース