阪神　自力Ｖ消滅　また左腕にひねられた　和田監督「反発力がない」

[ 2013年8月10日 06:00 ]

セ・リーグ阪神２－４中日

（8月9日ナゴヤＤ）
　阪神の自力優勝の可能性が消滅した。またも左腕にひねられ、巨人にマジック３９の点灯を許した。中日・大野の前に７回２点に封じられた和田豊監督（５０）も「ずっと左にやられている」とため息交じり。延長１１回の激闘を制した前夜の広島戦の勢いはどこへやら…。打線のさらなる奮起を求めた。

　ついに、巨人のマジック３９が点灯した。阪神がナゴヤドームで敗れ、球場を後にした約４０分後。巨人が広島に逆転勝ちしたことで、阪神の自力優勝が今季初めて消滅した。鬼門で喫した０６年８月１２日以来となる屈辱。前半戦終了時には２・５差まで追い上げていたが、気づけばもう８・５差まで広がった。後半戦１５試合で６勝９敗と失速する虎。優勝戦線から大きく後退した。

　淡い期待を抱いたが、逆転はならなかった。２点を追う９回１死一、二塁まで攻め立てたが、藤井彰、代打・浅井が連続三振。敵地には虎党の失望だけが漂った。

　「ずっと左にやられている。打線の奮起あるのみ。左が打てていない」

　試合後、和田監督はため息交じりで敗因を分析した。延長１１回の激闘を制した勢いで名古屋へ乗り込んできたはずが、この夜は防戦一方のまま終わった。中日・大野を打ち崩せない。特に中盤４回からの３イニングは、いずれも３者凡退。広島の左腕・中村恭に対し７回途中無失点に封じられた前夜の光景が、そっくりそのままよみがえった。

　「（左投手を打てない要因を問われ）ここで答えを言えれば、すぐに解決できる」

　確かに、後半戦以降、左投手に苦しむ展開が目立つ。７月２５、２６日は同じような技巧派のヤクルト・石川、ＤｅＮＡ・藤井を打てずに連敗。３日の東京ドームでは６回で８安打を浴びせたが、杉内を打ち崩すまでは至らなかった。大野に対しては１、３回の鳥谷、７回の新井良と一塁走者が大きなリードを奪い、足で重圧をかけようとした。そこに攻略のヒントがあったはずだが、走者が出なければ揺さぶりもかけられない。指揮官が表情を曇らせる。

　「反発力がない。追いつくまではいくんだけどね…」

　３回までに２点を挙げたのは良かったが、直後にスタンリッジが和田に勝ち越しソロを許すと、劣勢を跳ね返せない。７回２死走者なしから四球、安打で一、二塁まで好機を広げたが、代打・関本が空振り三振に倒れた。

　「打線の奮起あるのみです」

　試合終了時には巨人の勝敗が確定しておらず、和田監督がマジック点灯に触れることはなかった。ただ、昨日と今日で状況は大きく変わらない。虎に求められていることはただ一つ。どん欲に勝ち続けることでしかない。