大阪桐蔭 森友 松井超え連発 3安打4打点、プロ注目捕手が快幕

[ 2013年8月9日 06:00 ]

<大阪桐蔭・日本文理>4回2死、森友は右越えに2打席連発となるソロ本塁打を放つ

第95回全国高校野球選手権1回戦 大阪桐蔭10―2日本文理

(8月8日 甲子園)
 ゴジラの目の前でゴジラ超え――。開幕し、1回戦3試合が行われた。史上7校目の大会2連覇を目指す大阪桐蔭の森友哉捕手(3年)が、2打席連続本塁打を含む3安打4打点を挙げ、日本文理に10―2で大勝。甲子園通算5本塁打は、8日に甲子園球場を訪れて試合観戦した松井秀喜氏(39)の4本を超える歴代4位タイ記録。今秋ドラフトの1位候補に挙がる強肩強打の捕手が、最後の夏に最高のスタートを切った。

 18歳の誕生日に自らのバットで祝砲を上げた。4万2000人のスタンドをどよめかせた2打席連続本塁打。森友哉は「今までで一番最高の誕生日になりました。甲子園に来ると打てる気がする。やっぱり甲子園は違う」とはじけるような笑顔を見せた。

 日本文理の左腕大谷内の外角直球を「こすって」浜風に乗せたのは2回。打球は左翼ポール際に落ちた。ベンチに帰ると西谷浩一監督に「あれは本塁打やないやろう」と冷やかされた。「1本出て気持ちが楽になったし、それなら」と4回は“正真正銘”の一発。内角寄りの直球に「少し詰まった」と言うが、打球は逆風をものともせず右翼席に吸い込まれた。

 甲子園練習ではポップフライが目立った。前日練習ではボールを両太腿で挟み、スタンスが広くならないようティー打撃を繰り返した。高い修正力が2本のバースデー弾に結びついた。

 甲子園通算5本目。これまで左方向の本塁打はなかったが、これで全方向に運んだことになる。5回には右前に2点適時打して3安打4打点。試合前に「そんなに凄い打者とは思わない」と自信を持っていた大会最年長71歳の日本文理、大井道夫監督も「想像と違いました」と脱帽するしかなかった。1メートル70と小柄でも、パンチ力とバットコントロールで高校屈指の強打者であることを証明した。

 これで松井氏の甲子園通算本塁打を抜いた。それでも、森友哉は「小さい頃、プロ野球を見て凄いバッターだと思っていました。自分は本塁打を狙う意識はないです。率をどんどん上げたい」と話した。

 史上初の3季連続優勝を狙った今春センバツは3回戦で県岐阜商に敗れた。「まだ1回勝っただけ。この大会を勝ちきらないとリベンジにならない」。主将がバットでけん引して、大阪桐蔭が夏連覇へ好スタートを切った。

 ◆森 友哉(もり・ともや)1995年(平7)8月8日、大阪府堺市生まれの18歳。小1から「庭代台ビクトリー」で野球を始め、投手。東百舌鳥中時代には堺ビッグボーイズの正捕手として3年春の全国大会で準優勝。大阪桐蔭では1年秋から正捕手。50メートル6秒3、遠投100メートル。1メートル70、80キロ。右投げ左打ち。

 ≪歴代4位タイ≫大阪桐蔭・森友哉が2打席連続本塁打。昨年光星学院・北條が2度記録して以来、27人目(29度目)。2回には近田と2者連続本塁打。昨年同じ大阪桐蔭の沢田、森友が済々黌戦で記録して以来20度目。2者連続を1人で2度記録したのは森友が初めて。これで森友は甲子園春夏通算5本塁打(春1、夏4)。春夏通算5本は歴代4位タイ、夏通算4本は同2位タイの記録。

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