阪神 意地のM点灯阻止 桧山 歴代2位の代打155安打

[ 2013年8月8日 06:00 ]

<広・神>8回2死満塁、桧山は右前適時打を放つ

セ・リーグ 阪神7-1広島

(8月7日 マツダ)
 一戦一戦の白星の積み重ね。それが首位を走る巨人にプレッシャーをかけることを「代打の神様」は知っている。5―1の8回2死満塁。阪神・桧山は停滞しかけていた打線に、そのバットでカツを入れた。

 1ストライクからの2球目。小野が投じた内角低めスライダーに反応し、いい当たりではなかったが、狭い一、二塁間をゴロで抜けていった。執念のダメ押し2点適時打。「ラッキーだったね。間に飛んでくれて良かった」という一打は代打通算155安打目で、歴代単独2位となった。また代打での通算104打点も、歴代3位の川又(現中日2軍打撃コーチ)にあと1と迫った。

 5回までに5点を挙げながら、6回1死一、三塁ではマートンが二ゴロ併殺、7回2死満塁も今成が遊ゴロに倒れていた。だから、桧山の2点打は大きかった。和田監督は「あのまま8回が終わると、嫌な流れのまま8、9回を迎えないといけなかった」と称えた。

 負ければ巨人に優勝マジックが今季初めて点灯する可能性があった。ただ03、05年と2度の優勝を経験している男だからこそ、言葉に重みがある。「(自力優勝が消滅する目前)そんなことを言っても仕方ない。意識しないことはないけど、それよりも目の前のゲームをしっかり戦う」。44歳は自らのバットでその言葉を体現した。

 チームは今季2度目の先発全員安打となる12安打7得点で快勝。自力優勝消滅危機という状況は続くが、まだ諦めるわけにはいかない。「一試合一試合でベストを尽くす」と桧山。1打席にかける男の適時打には、強いメッセージも込められていた。

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2013年8月8日のニュース