巨人 8日にもM40初点灯へ 0―4から3倍返し3発12点

[ 2013年8月8日 06:00 ]

<D・巨>8回1死一塁、長野が2ランを打つと原監督は両手で大きくガッツポーズ

セ・リーグ 巨人12-6DeNA

(8月7日 横浜)
 巨人は7日のDeNA戦で、同点の8回に長野久義外野手(28)が左越え13号2ランを放ち勝ち越した。6日に打順が1番から7番に下がったが、前日の3安打に続く2試合連続の猛打賞と意地を見せた。これで貯金は今季最多の25。阪神も勝ったためマジック点灯はならなかったが、8日に勝つか引き分け、阪神が負ければマジック40が初点灯する。

 開きかけた体を止めた。真ん中低めに逃げる133キロのスライダー。長野は投手寄りに崩されかけた体に力を入れた。同点の8回1死一塁、残っていたバットのヘッドが一気にボールを捉えた。最後は左手1本。決勝の左越え13号2ランに自分自身が一番驚いた。

 「こういうホームランは打ったことがないので自分でも驚いています。もう一回、打てと言われても打てない。たまたま。まぐれです」

 悩める男が乱打戦を決めた。この試合前まで打率・256。首位を独走するチームの中で、原監督からは「あとは出塁率という部分を上げてほしい」「もうちょっと安定感をね」と叱咤(しった)を受けてきた。6日のDeNA戦(郡山)は10試合ぶりに1番を外れ、7番に打順が下がった。試合前には室内練習場で指揮官から付きっきりで直接指導を受け、3安打をマークした。そしてこの日は決勝弾を含む3安打。昨季は坂本とともに173安打で最多安打のタイトルを獲得したヒットマンが、今季初めて2戦連続猛打賞と奮起した。

 原監督とのマンツーマンレッスンは、至ってシンプルなものだった。指揮官は長野を壁際のネット近くにバットを持って構えさせた。そこにできた約50センチのスペースを通すように何度もスイングさせた。調子が悪くなると、長野にはバットのヘッドが下がり気味になる悪癖がある。これを矯正し、遠回りする軌道を修正させる意図があった。

 その成果が出た。フォームを崩されながらも、バットが最短距離でボールを捉えたスイングに、原監督も「さらに、さらにというところですね。何かいいきっかけになればと考えています」と褒めるのではなく、さらなる期待を込めた。

 長野に引っ張られた打撃陣は16安打12得点を奪った。逆転劇で連勝し、貯金は今季最多の25。阪神が勝ったため灯(とも)らなかったマジック、8日こそ灯す。

 ≪昨季9月18日以来≫巨人が4点差を逆転勝ち。巨人の4点差以上の逆転勝利は昨季9月18日中日戦(1―5→○9―5)で記録して以来になる。8回に勝ち越し2ランを放った長野は6日に続き先発7番に座り3安打。長野の2試合連続猛打賞は昨季9月7、8日ヤクルト戦でマークして以来通算5度目。過去4度の先発打順は1番、6番、7番、8番各1度となっており下位の打順で気を吐いている。なお、巨人と阪神がともに勝ったため巨人の優勝マジック点灯は持ち越し。巨人が8日のDeNA戦に○か△、阪神が●でM40が出る。

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2013年8月8日のニュース