ダル 粘った11勝目 出場停止主砲の涙の謝罪に「チーム全員でカバーする」

[ 2013年8月8日 06:00 ]

<エンゼルス・レンジャーズ>7回のピンチを抑え、雄叫びを上げるレンジャーズのダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ8―3エンゼルス

(8月6日 アナハイム)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)が6日(日本時間7日)、エンゼルス戦に先発し、7回8安打3失点で今季11勝目を挙げた。初回に大リーグ2年目で初の2者連続本塁打を浴び、今季自己ワーストの8安打を許したが、粘りの投球で要所を締めた。チームは最近9試合で8勝1敗。最大6ゲーム差あった地区首位のアスレチックスに1ゲーム差と迫った。

 試合後のダルビッシュは、開口一番で言った。

 「今年最低の状態でしたけど、試合をつくれてチームも勝った。自分でもよく頑張ったなと思う」

 わずか5球で2発を浴びた。初回、1番カルフーンに4球目の91マイル(約146キロ)を右翼席に、続くトラウトには初球を右中間に運ばれた。2者連続被弾は、プロ初登板だった05年の1度だけ。初回先頭は初めての屈辱だ。直球に力なく、制球もおぼつかない。「次はハミルトンだから3連発いくんじゃない?と思った」。7回3失点で11勝目が転がり込んでも声のトーンは上がらなかった。

 故障者リスト明けの最近3試合は、スピンの利いた直球を軸に2勝1敗、防御率0・47。ゆったりとした始動から、しっかりとボールに体重を乗せた。ところが、この日は投球間に何度も軸足を支える右股関節をストレッチ。4回にはロン・ワシントン監督らがマウンドで状態を確認した。右腕は「おなかがすいただけ」とけむに巻いたが、8安打中6本が直球を捉えられた。最速95マイル(153キロ)も、数字通りの威力はなかった。

 中盤以降は「試しながらアジャスト(調整)した」とチェンジアップでカウントを整え、決め球は直球でなくスライダー、カーブを軸とした。同点の7回2死一、三塁ではハミルトンを内角カーブで中飛に打ち取った。パワー勝負を挑まず、変化球でかわしながら我慢したことで、8回にA・ベルトレの決勝右前打を呼び込んだ。

 前日、27本塁打のクルーズが薬物違反で出場停止処分を受けた。ナインに涙を見せて謝罪した主砲を欠く中で、ダルビッシュは「チーム全員でカバーする」と力を込めた。首位アスレチックスと1ゲーム差。指揮官も「最高の投球でなかったが、何をするべきか分かっている」と称えた。

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2013年8月8日のニュース