2年目アニオタ古野プロ1勝 登板前夜もDVD鑑賞

[ 2013年8月7日 06:00 ]

<中・ヤ>プロ初勝利を挙げ、ウィニングボールを手にピースサインの古野

セ・リーグ ヤクルト1-0中日

(8月6日 浜松)
 チームで一、二を争うアニメ好き右腕が、崩壊する投手陣の救世主となった。プロ初勝利を挙げた試合後のベンチ裏での囲み取材。ミッキーマウス柄のタオルを首に巻いて登場したヤクルトの古野は「率直にうれしい。ファームでもピンチで丁寧に投げることを意識してやってきたのが出せた」と白い歯を見せた。

 1点を先制した直後の6回2死満塁。一打逆転の大ピンチでも冷静さを失わなかった。ボール、ボールと続いたが、「バッティングカウントで直球をいくと思わせて」シュートを投げ込み、狙い通り遊ゴロ。「タイミングを外せたのがよかった」としてやったりの表情を浮かべた。7回に遊ゴロで一塁へ駆け込んだ際に左ふくらはぎをつり、大事をとって降板。それでも6回4安打無失点の好投に、小川監督も「気持ちも出て、丁寧に投げていた。(この勝利は)凄く大きい」と喜んだ。

 遠征先にもアニメのDVDをレンタルして持ち込むほどのオタクぶり。寮の自室には人気漫画「ドラゴンボール」や「ワンピース」のフィギュアがずらりと並ぶ。スタジオジブリやディズニーには幼少時代からはまり、最近では「キャプテン翼」や「クレヨンしんちゃん」をこよなく愛する。今遠征にはキャプテン翼のDVDを持ち込み、登板前夜もホテルで観賞してリラックス。「ガチでおもしろいですから」と真顔でいう右腕が、アニメフィギュアと同等、いやそれ以上に欲しかった悲願の初勝利を手に入れた。

 村中や赤川らが不調で2軍落ちして先発の頭数が足りない状況で、2年目右腕の台頭は明るい材料。「1回良くてもダメ。何回も続けないと」という古野が、絶体絶命のピンチで登場するヒーローのごとくチームの窮地を救った。

 ◆古野 正人(ふるの・まさと)1986年(昭61)9月27日、兵庫県生まれの26歳。報徳学園では3年時に春夏連続甲子園出場。龍谷大では4年秋のリーグ戦で最優秀投手賞を獲得。日産自動車から三菱重工神戸を経て、11年ドラフト6位でヤクルト入団。切れのあるスライダーが武器。1メートル78、80キロ。右投げ右打ち。

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2013年8月7日のニュース