丸サヨナラ犠飛“特別な日”8・6は負けられない

[ 2013年8月7日 06:00 ]

<広・神>9回1死三塁、丸はサヨナラ中犠飛を放ちガッツポーズ

セ・リーグ 広島1-0阪神

(8月6日 マツダ)
 「原爆の日」の本拠地での特別な試合でサヨナラ勝ち。0―0の9回1死三塁から中犠飛を放った広島・丸は、喜びもひとしおだった。

 「広島の人たちが8月6日にどれだけ特別な思いを持っているかを感じ、みなさんの前で野球をできる幸せをかみしめながらプレーした。カープは(広島の)人々の生きがい。苦しい試合だったけど、こういう形で勝ててよかった」

 勝たなければならなかった。それまで無安打だった丸。「挽回というか、最後は自分で決めてやるという気持ちでした」。わずか11日前。7月26日のヤクルト戦(マツダ)でもサヨナラ打を放った24歳がまた決めた。

 鳴り物による応援がない独特の雰囲気。試合をつくったのはエースの前田健だった。原爆の日の初登板。広島市内中心部を流れる元安川で実施された「とうろう流し」。前田健はとうろうに「野球で元気と笑顔」とメッセージを書き入れ広島市立大の学生ボランティアに託した。そして「自分の気持ちを見つめ直す大事な日。広島にカープが誕生して今がある。それプラス(平和に)感謝の気持ちを持って投げたい」と立ったマウンドでは、粘りが際立った。初回2死から連打を浴びて一、三塁とされたが、新井を空振り三振に。2回無死一、二塁では藤井彰を二ゴロ併殺打に仕留め、尻上がりの調子でゼロを並べていった。右肘に軽い張りを覚えたため、大事を取って7回111球で降板したが、5安打無失点。十分な仕事内容だった。

 最後にエースの力投に打線が応え、中日に並んで3位に浮上。球団史上初のCS進出へ。野村監督は「チームにとっては勝ってうれしいことだけど、野球ができる環境に感謝しないと」とかみしめるように話した。

 ▼広島・岩本(被爆3世)僕たちができるのは精いっぱいプレーすること。みんなが明るくなるように伝えていければ。

 ▼広島・永川勝(9回2死で救援)しびれる場面。低めに投げることができた。

続きを表示

2013年8月7日のニュース