Aロッド引退危機 来季終了まで出場停止処分発表

[ 2013年8月7日 06:00 ]

復帰初打席となったホワイトソックス戦の2回、ブーイングを浴びながら打席に立つヤンキースのロドリゲス。批判的なメッセージボードを掲げる観客も

ア・リーグ ヤンキース1―8ホワイトソックス

(8月5日 シカゴ)
 大リーグ機構は5日(日本時間6日)、薬物規定に違反した13選手の処分を発表。ヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手(38)には最も重い今季残り試合と来季終了までの211試合出場停止処分を科した。ロドリゲスは異議を申し立てる意向で処分確定まで試合出場は可能。この日のホワイトソックス戦で故障者リストから復帰し大ブーイングの中で初安打を放ったが、極めて異例の長期出場停止は38歳のスラッガーには大きなダメージで、選手生命の危機に直面した。

 現役最多通算647本塁打を誇るロドリゲスに対し、大リーグ機構の裁定は予想通り厳しいものだった。処分は8日(日本時間9日)から適用される計算で、今季残り試合(49)と来季全試合(162)の211試合出場停止。機構側はその理由について「数年間にわたるテストステロンやヒト成長ホルモン(HGH)を含む数種類の禁止薬物使用と所持」と発表し、調査妨害と証拠隠滅を図ったことも厳罰につながったとした。

 テレビカメラ24台、200人を超える報道陣が押し寄せる中、会見場に現れたロドリゲスは落ち着いていた。「とても残念なニュースだ。私は自分の人生のために闘う。誰も守ってくれない」としっかり前を向いて話し、肝心の薬物使用については「話すべき時が来たら話す」と繰り返した。

 左股関節の手術から復帰した日が、処分発表の日と重なった。「ユニホームをもう一度着られてうれしい」と臨んだ今季初戦。「4番・三塁」で出場したが、待っていたのは敵地の大ブーイングと「ステロイド、ステロイド!」の大合唱だった。そんな雑音にも動じることなく、2回の第1打席で詰まりながらも左前打。試合後は「長く、厳しい一日だったが、気分は悪くない」と語った。

 ロドリゲスは処分を不服とし、異議を申し立てる意向を示した。今後は調停委員会が処分の正当性を審議することになるが、結論は11月以降というのが大方の予想。処分が確定するまで試合出場は可能だが、徹底抗戦を続け、仮に処分開始が来季開幕時となれば、15年シーズンの5月までプレーできない計算になる。

 ロドリゲスは罰則規定がなかったレンジャーズ時代の01~03年に薬物使用を告白した「前科」がある。しかし、ヤ軍移籍後は一貫して使用を否定してきただけに、ダーティーなイメージはもはや払しょくできない。「これからは全力で野球に集中する」と語ったが、15年は40歳シーズンとなる。バリー・ボンズが持つ歴代最多本塁打(762本)の更新は絶望的で、「211試合のブランク」は選手生命を大きく縮めることにつながる。

続きを表示

2013年8月7日のニュース