安楽 初Vへ9日間で5試合も「連投は苦にならない」

[ 2013年8月6日 06:00 ]

健闘を誓い合う大阪桐蔭・森友(左)と済美・安楽

 8日に開幕する第95回全国高校野球選手権大会(15日間、甲子園)の組み合わせ抽選会が5日、大阪市のフェスティバルホールで行われ、1回戦17試合と2回戦7試合の対戦カードが決まった。今春センバツ準優勝の済美(愛媛)は大会第7日の2回戦で三重と対戦。157キロ右腕の安楽智大投手(2年)は決勝まで9日間で5試合の過密日程を乗り切り、大会初優勝を誓った。昨夏に1試合22奪三振の大会記録を樹立した桐光学園(神奈川)の松井裕樹投手(3年)が不在の中、各地区の注目選手たちが甲子園を盛り上げる。

【日程】

 最速157キロの怪物2年生・安楽が見据えるのは頂点だけだ。「春の忘れ物を取りに行く」と誓う今大会。初戦(2回戦)の相手は三重に決まった。大会第7日。第5日以降を望んでいた16歳は「大会の雰囲気を味わえるから個人的には一番いい日程。7日目くらいの方がリラックスして調整できる」と歓迎した。

 もちろん、優勝への道のりは決して平たんではない。今大会から連戦を避けるため、準々決勝翌日に休養日が設けられた。しかし、順調に日程を消化した場合、初戦が14日の第7日になったことで22日の決勝まで勝ち上がれば、9日間で5試合というハードスケジュールになる。準優勝した今春のセンバツでも9日間で5試合、計772球を投げ抜いた。米メディアで批判されるなど社会問題にまで発展したが、安楽は平然と言ってのける。「連投対策もしてきましたし、連投でもバテない体力づくりはセンバツ後からしてきた。連投は苦にならない」

 センバツ後は200球の投げ込みを1週間以上こなすこともあった。どんなに暑い日でもグラウンドコートを着ながら連日10キロの走り込みもした。愛媛大会準決勝・川之江戦で自己最速の157キロを計測。試合終盤でも150キロ台を連発する驚異的なスタミナがある。

 センバツでは2度優勝の上甲正典監督だが、夏の優勝経験はない。「(夏に監督を優勝させる)その気持ちだけでやってきた。勝利には自分の右腕がカギを握る」と、その鉄腕で指揮官を胴上げする。そして、大舞台でのスピードへの追求。「自己最速の158キロを目指してやっています。出るかどうか分からないですが、思い切って腕を振りたい」。158キロは01年夏に日南学園・寺原隼人(現ソフトバンク)が計測した甲子園最速。優勝もスピードも、どちらも手に入れる。

 ▼安楽の今春センバツ 大会5日目の3月26日に行われた初戦の2回戦・広陵戦は延長13回を投げ抜き、3失点完投。中3日空いた30日の3回戦・済々黌戦も1失点完投した。中1日で4月1日の準々決勝・県岐阜商戦で3失点完投し、2日の準決勝・高知戦も2失点完投。3連投となった3日の浦和学院との決勝は6回12安打9失点で降板し敗れた。9日間で計5試合に先発し、46回で772球を投じた。

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