19歳高橋周が逆転満弾!高卒2年目連夜の大仕事

[ 2013年8月2日 06:00 ]

<神・中>6回表1死満塁、中越え逆転満塁ホームランを放った高橋周(左)を出迎える高木監督

セ・リーグ 中日6-4阪神

(8月1日 甲子園)
 強い意志を持って、中日・高橋周は打席に向かった。2―3で迎えた6回1死満塁の場面。阪神は加藤をマウンドに送り込んできた。左対左。自分に言い聞かせた。

 「とにかくゲッツーだけは打たないように、強く振ろう。それが自分にできること」。3ボール1ストライク。同点の押し出し四球は避けたい場面で、直球一本に絞った。真ん中低めに来た137キロ直球。強振した。「今年一番の当たりだったけど、外野フライかと思った」という打球はライナー性でバックスクリーンまで達した。今季1号が初のグランドスラム。19歳6カ月での満塁弾は球団史上最年少となり、しかも逆転弾だった。

 「僕が行けなかった場所。こういう舞台で打てたのはうれしい」。高校通算71本塁打を誇っても、東海大甲府時代は甲子園に出場できなかった。小さい頃から憧れの球場で今季初スタメン。2回に右前打、4回にも右前適時打。そして、甲子園での初本塁打が逆転満塁弾だ。猛打賞がプロ初なら5打点も自身最多だ。

 新人だった昨年は1軍で2本塁打を放ち、ウエスタン・リーグでは本塁打王(7本)を獲得。左の中軸候補として期待された2年目だったが、伸び悩んだ。途中出場で結果を残せず、5月下旬から2軍生活。同じ三塁手の主砲ルナが左膝痛で離脱したことで後半戦から1軍に昇格した。前日に同じ高卒2年目の西川が7回無失点でプロ初勝利。同期入団で仲も良く、昨年4月18日の西川の誕生日には名古屋市内の飲食店で2人きりの誕生会を開いた。「負けていられないという気持ちもあった」と刺激を受けた。

 低迷するチームに新風を吹き込んだ将来の中軸候補。高木監督は「エラーをしてもいいからまず出すようにしたい」と当面のレギュラーを保証した。「何回もチャンスはない」。19歳は千載一遇の好機を逃さなかった。

 ◆高橋 周平(たかはし・しゅうへい)1994年(平6)1月18日、神奈川県生まれの19歳。善行小1年から野球を始め、湘南クラブボーイズで2年時に全国制覇。東海大甲府では1年夏から4番。3年夏の山梨大会は準々決勝敗退で甲子園出場はなし。高校通算71本塁打。11年ドラフトで中日、ヤクルト、オリックスと1位指名3球団競合の末に中日入り。50メートル6秒6、遠投100メートル。1メートル80、85キロ。右投げ左打ち。

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2013年8月2日のニュース