由伸代打サヨナラ打で3日にもマジック点灯

[ 2013年8月2日 06:00 ]

<巨・ヤ>高橋由のサヨナラ打に歓喜の巨人ナイン

セ・リーグ 巨人6-5ヤクルト

(8月1日 東京D)
 サヨナラで、眼下の敵の阪神にもサヨナラだ。。巨人は1日、ヤクルトと対戦。5―5で迎えた9回2死一、三塁から代打・高橋由伸外野手(38)が中前適時打を放ち、6連勝を飾った。ベテランの一振りで2位・阪神とのゲーム差は7・5に広がり、2日からの阪神戦(東京ドーム)に連勝すれば、3日に優勝マジック「43」が点灯。もう影も踏ませない。

 緩やかに飛んだ打球が中前に落ちるのを確認した高橋由が、右拳を突き上げた。自身2年ぶりのサヨナラ打。歓喜の輪の中でペットボトルの水を浴びせられ、ユニホームはすぐにびしょ濡れになった。

 「みんながつないでくれたチャンスだったし、何とかここで決めたかった」

 同点の9回2死三塁。阿部が敬遠で歩かされ、巨人ファンから湧き起こっていた大ブーイングが、代打高橋由のコールで大歓声に変わった。出番を前に「打つしかない。それ以外ない」と気持ちを固めていた。ヤクルトバッテリーには再び敬遠で満塁策を取る選択肢も残されていたが、勝負を選んできた。望むところだった。1ボール1ストライクから初めて内角に来たカットボールを一振りで仕留めた。

 4月に左ふくらはぎ肉離れで約1カ月半、実戦から離れた。6月下旬の1軍復帰後は、実戦感覚を補うためにバットの握り方を変えた。1月の沖縄自主トレからより長打力を求めてグリップエンドいっぱいに指をかけてきたが「とりあえず今はね」と、昨季のようにグリップエンドを余す形に戻した。まずは確実性。この日の一打もそうだった。

 一回り以上離れた若武者たちの存在も刺激だ。「刺激も、頼もしさもある。うまいことかみ合えばいいと思う」。特に気にかけるのが自主トレに帯同させ、この日も2回に先制打を放った中井。2軍でリハビリ中も打撃成績をテレビや新聞でチェック。「一緒に練習している仲間が活躍すればうれしいよ」。6月11日の全体練習に寝坊で遅刻し2軍降格した際には「しょうもないな」と活を入れ、発奮を促した。

 その中井を筆頭に橋本、笠原ら若手の活躍が目立ったこの3連戦。最後は38歳のベテランが決め、チームは6連勝を飾った。原監督は「最後は我々の切り札がよく打ってくれた」。2日からは2位阪神との3連戦。連勝すれば、早くも優勝マジックが点灯するが、高橋由は「とにかくあすの試合を勝てるように全力でやりたい」と憎いほどに落ち着き払った。

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2013年8月2日のニュース