【野球のツボ】楽天&阪神 後半戦のキーマンはあの選手

[ 2013年7月25日 17:16 ]

混戦を抜け出せるか…チーム浮沈のカギを握るマギー(右)ジョーンズの楽天両外国人選手

 ルーキーたちの活躍で盛り上がりを見せたプロ野球も後半戦に突入した。パ・リーグは混戦状態、セ・リーグは巨人と阪神のマッチレース。終盤に向けた展開を予想すると、それぞれのチームで、浮沈のカギを握るのは外国人選手だという思いを強くしている。

 かねてから外国人選手の成績は、チームの成績に直結している。注目が大谷(日本ハム)、藤浪(阪神)らに集まっている今シーズンだが、最後に笑うのは外国人選手をうまく使い続けた球団。このセオリーがやはりあてはまることになると予測している。

 首位ターンの楽天は、13勝0敗の田中の活躍が、そのままチームの貯金となっている形だが、これからの優勝争いでは、マギー、ジョーンズの両外国人選手のバットにかかるウエートが高いと見る。彼らが調子づけば、得点力は一気に上がるし、混戦を抜け出すパワーをもたらすが、バットが湿った状態だと、後手を踏む展開で苦労することにもなりかねない。

 パの外国人で夏場のプレーで注目しているのは西武のヘルマン。打率はきっちり上位に位置しており、足が使えるのも魅力。浅村、栗山、秋山とのコンビで、どこからでも得点ができるパターンに持ち込めば、順位もジワジワと上げてきそうだ。

 セ・リーグの外国人のキーマンは阪神のメッセンジャーとスタンリッジの2人の先発投手だ。藤浪や西岡の加入にポイントが集まっているが、この2人がしっかりとローテを守っていることが、2位に位置している大きな要因だと私は思う。いずれも、球に威力があり、上背を生かしたピッチングが持ち味。昨年までは多少アバウトな部分もあり、安定感にはつながらなかったが、今年はピンチでも大崩れせず、最少失点で踏ん張る丁寧な投球が目につく。藤井彰とのコミュニケートも出来ているから、成績も伴っていると思う。

 後半戦で外国人選手が見せ場を作ることが多いのも、ボーナスや契約更新などの「お金」に直結するという部分が大きい。外国人選手が契約で最も期待するのは、身分保証にもつながる複数年契約。終盤でのアピールで、複数年契約にこぎづけるというのが、モチベーションにもなっている。そのへんの「アメ」の使い方のうまいチームが最後に残るのではないだろうか。(前WBC日本代表コーチ)

◆高代 延博(たかしろ・のぶひろ)1954年5月27日生まれ、58歳。奈良県出身。智弁学園-法大-東芝-日本ハム-広島。引退後は広島、日本ハム、ロッテ、中日、韓国ハンファ、オリックスでコーチ。WBCでは09年、13年と2大会連続でコーチを務めた。

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