ダル 勝因はイチロー封じ 14の7“天敵”に緩急で3の0

[ 2013年7月24日 06:00 ]

<レンジャース・ヤンキース>4回、イチローを二ゴロに打ち取るダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ3―0ヤンキース

(7月22日 アーリントン)
 右僧帽筋の張りで故障者リスト入りしていたレンジャーズのダルビッシュ有投手(26)が22日(日本時間23日)、ヤンキース戦で戦列復帰。イチロー外野手(39)を5度目の対戦で初めて無安打に抑え、6回1/3を2安打無失点で9勝目(4敗)を挙げた。登板間隔はメジャー移籍後最長となる15日間だったが、最速97マイル(約156キロ)の直球を軸に安定した投球。後半戦白星スタートとなった。

 緩急で仕留めた。1―0の6回2死。ダルビッシュはイチローを外角の65マイル(約105キロ)スローカーブでボテボテの三ゴロに打ち取った。初球の93マイル(約150キロ)直球を見せ球に、球速差45キロのウイニングショットだった。

 「イチローさんに対してはいろいろと考えることがあったので。それを実践したというか、うまいことできた」

 ここまで通算14打数7安打と打たれていた「イチロー封じ」こそが、勝利への最大の近道だった。ターニングポイントはいきなり訪れた。初回、先頭に死球を与えて、打席にはイチロー。1ボール1ストライクから、94マイル(約151キロ)の直球で押し込んで遊飛に仕留めた。相手に傾きかけた流れを切り、4回まで無安打に抑えた。

 中12日で登板した昨季後半戦の初戦も、イチロー(当時マリナーズ)と対戦。しかし初回にイチローの右前打をきっかけに4点を失い、自己ワーストの7失点に終わった。同じ失敗は繰り返せない。「今までよりも軽く投げていたけど、球は走っていた。真っすぐでぽんぽんストライクが取れたので、楽に初球から投げることができた」。序盤に直球を印象付けたからこそ、イチローを4回にはスプリットで二ゴロ、6回にはカーブで三ゴロ。2打席目以降に増やした変化球がさらに効果的になった。

 右僧帽筋の張りで故障者リスト入りし、中15日での登板。選手間投票で2年連続で選出された球宴での登板機会は失ったが、一方で、ロン・ワシントン監督は「リフレッシュして(直球が)力強くなった」と評した。5月16日のタイガース戦を最後に約1カ月半、7試合連続で白星がつかなかった時期には米メディアから「真っすぐの割合を減らしたから勝てなくなった」と分析されたが、この日の投球はそんな周囲の声に従ったわけではない。

 「その日の一番いい球をどんどん投げるのがスタイル。きょうはそれがフォーシーム(直球)だったということ」。あくまでも自分の感覚を信じて、軸となる球種を選んだだけだ。7回1死一、二塁とピンチを招いたところで降板。「(90球での交代は)想定していなかった」と悔しそうな表情も浮かべたが、球宴後4試合目にしてチームに初白星をもたらした。

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2013年7月24日のニュース