箕島 尾藤2世で改革初戦突破

[ 2013年7月17日 06:00 ]

<箕島・和歌山西 和歌山北>笑顔で選手に声をかける箕島・尾藤強監督(中央)

和歌山大会2回戦 簑島8―0和歌山西・和歌山北

(7月16日 紀三井寺)
 名将・故尾藤公元監督の長男・強新監督率いる箕島が、初戦の和歌山西・和歌山北を相手に8―0で7回コールド発進。「ホッとした気持ちが一番です」と安どの汗をぬぐった。

 大勝の中で自らの色を出した。2回の先制点を皮切りに8得点中3点がスクイズで奪ったもの。さらに送りバントも3つ決めるなど、往年の緻密な野球をほうふつさせたが、父と同じ戦い方と呼ばれることには反論する。「バントをするのが箕島ではない。きょうはなかなか打てないと思っていた。臨機応変に攻撃するのが新しいスタイル」と振り返った。

 今年3月1日に母校の監督に就任し、いきなり春の県大会を制した。しかし、近畿大会の初戦で智弁学園(奈良)に敗退。夏の予選に向けてメンタル面の改革に乗り出した。選手にはこう言い続けた。「野球にミスは付きもの。ミスが出た時こそ一つになれるチームが強い」。この日も初回に送りバントの失敗があり、守っても主将の遊撃・中西が2失策。崩れてもおかしくない流れの中で、全員でカバーする選手たちに「精神的に強くなった」と目を細めた。

 先発の須佐見も6回を投げ、無失点の好投を見せた。昨秋からエースナンバーを背負いながら、初戦で敗れた春の近畿大会後に指揮官から背番号10に変更された。この日も「10」でマウンドに上がり、気持ちを前面に押しだして投げ続け「甲子園に行って背番号1を取り戻す」と誓った。

 亡き父が伝統を築き上げた箕島は、息子の下で新たな姿に生まれ変わった。29年ぶりの夏の甲子園に向け、古豪復活へのスタートを切った。

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2013年7月17日のニュース