ダル超え不運で逃すも マー君 完投で開幕13連勝

[ 2013年7月17日 06:00 ]

<オ・楽>3回を終え、厳しい表情でベンチへ引き上げる楽天先発・田中

パ・リーグ 楽天4-1オリックス

(7月16日 京セラD)
 幻のダル超えだ。楽天・田中将大投手(24)は16日、オリックス戦に先発。3回に一塁ベースに当たる不運な二塁打から1点を失い、6月9日の巨人戦(東京ドーム)の初回から続けていた連続イニング無失点は42で止まった。レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)が日本ハム時代の11年につくった46イニング連続無失点には及ばなかったが、5安打1失点の完投で開幕13連勝を飾ると同時に、昨年8月からの自身の連勝も17に更新。チームの貯金は4年ぶりに球団史上最多タイの13となった。

 田中が投じたツーシームが、浮き上がるように内角をえぐった。6回。スコアボードに表示された球速は151キロ。李大浩(イデホ)は伸び上がるようにバットを出してファウルで逃げるのがやっと。この日の直球の最速は152キロ。直球と球速の変わらない高速ツーシームが効いた。

 「きょうは調子が良かった方かなと思う。序盤はフォームのバランスが良くなかったけど、点を取ってもらってから力を入れて良くなった」

 李大浩、バルディリスの右の長距離砲を計8打数無安打。特に李大浩は対戦した4打席で投じた18球中6球も内角へツーシームを投じた。6回の対戦では2ボール2ストライクからの5球目に151キロのツーシームを投じ、最後は150キロの外角直球で空振り三振。続くバルディリスも高速ツーシームで腰を引かせておいて外角のスプリットで三振に仕留めた。

 一つの記録は終わった。3回、先頭打者の駿太に一塁ベースに当たる不運な二塁打を浴びた。犠打で1死三塁となり、安達の打球は詰まりながらも中前にポトリ。6月3日の中日戦(Kスタ宮城)の9回以来の失点を喫した。続く糸井を空振り三振に抑えると、2死ながら三塁ベンチに戻りかけたが、動揺があったと思えたのもその一瞬だけ。「失点する時はこんなもの。逆に切り替えやすかった」とすぐさま吹っ切り、打線が5回に逆転した際は「もうこれは俺が最後までいくぞ」。同じ京セラドームの4月23日の対戦で8回3失点ながら15安打された相手に対し、今度は5安打1失点で今季4度目の完投勝利。開幕から無傷の13連勝を飾った。

 今月に入りキャッチボールの際には「伸びるツーシーム」と宣言して投じることもある。常に進化を求める姿は兄貴分として慕うダルビッシュと重なる。これまで田中のツーシームは140キロ台後半だったが、女房役の嶋も「コンディションも上がってきて、体重がボールに乗るようになってツーシームの質が格段に良くなった」と評した。

 チームは唯一CSに進出した09年に記録した貯金13の球団記録に並んだ。田中の勝ち星がそのままチームの貯金となっている形だが、「僕の貯金くらいじゃ。まだまだ増やさないと」と言った。絶対エースの連勝街道の先に、球団創設9年目での悲願の初優勝がある。

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2013年7月17日のニュース