原巨人 V率100%前半戦終了3・5差が目前 首位攻防第1R能見討ち

[ 2013年7月16日 06:00 ]

<神・巨>8回1死、11号ソロの村田(左)は亀井に迎えられる

セ・リーグ 巨人6-3阪神

(7月15日 甲子園)
 原巨人が2年連続の前半戦首位ターンを決めた。巨人は15日、2位・阪神を6―3で下し、連敗を3で止めた。村田修一内野手(32)が初回に先制3点二塁打、8回に11号ソロを放つなど3安打4打点と大暴れ。貧打に泣き3連敗した前カードの中日戦の悪夢を払しょく。阪神とのゲーム差を2・5に広げた。過去、前半戦で2位に3・5ゲーム差以上をつければ優勝確率は100%だけに、残り2試合でライバルを一気に突き放す。

 ナゴヤの悪夢を村田が一振りで吹き飛ばした。3四球で走者をためた初回2死満塁。初球だ。能見の外寄り143キロを叩きつぶした。低く鋭い弾道はバックスクリーンへ一直線。中堅手・大和が一瞬前進した打球は、背走するその頭上を越えていった。走者一掃の3点二塁打。小さくもギュッと力強く、拳を2度握った。

 1・5ゲーム差に迫られ迎えた首位攻防戦。「直球に合わせた。アレで(自分もチームも)楽になれた。みんな緊張していたし良かった」。前カードの中日戦で3連敗。打線が27回でわずか2得点と沈黙していた。この日は14試合ぶりにクリーンアップを外れ打順は6番。「中日戦では打線が投手をカバーできなかった。きょうこそ援護したいという気持ちを野手全員が持っていました」と今季満塁では13打数1安打だったが、13試合連続安打となる走者一掃の二塁打で、しっかりと借りを返した。

 「好球必打」の基本に立ち返った。前日の5回1死満塁では、初球の好球を見逃し、2球目のボール球を引っ掛けて三ゴロ併殺に倒れていた。「チャンスこそ積極的にファーストストライクを打たないと次はない」。8回にも初球の直球を叩き、左中間席へダメ押しの11号ソロ。今季、カウント別の打率は初球が・346、初球以外が・288と数字にも表れている。

 東福岡のエースだった98年のセンバツ3回戦、甲子園で横浜高・松坂(現インディアンス)にフェンス直撃の二塁打を打たれ、0―3の零敗。打席でも怪物の凄さを肌で感じ投手でプロを目指すことを断念した。つまり、アーチスト・村田の生誕地はここ甲子園だ。昨年は敵地で4失策を犯し、巨人移籍後は打率・206で「鬼門かもしれませんね」と漏らしたが、今季5度目の3安打で不安を吹き飛ばした。

 チームも今季甲子園で最多となる6得点。2位・阪神とのゲーム差を2・5に広げ、前半戦首位ターンが決まった。球宴まで残り2試合。3・5ゲーム差をつければ、V率100%の吉兆データもある。「(試合前は)嫌な感じがありましたが、修一が素晴らしい打球でモヤモヤを吹き飛ばしてくれた」と原監督。逆境で臨む伝統の一戦という緊張感の中で、王者がしっかりと本来の姿を取り戻した。

 ≪3.5差以上≫巨人が阪神に勝ち球宴前の首位折り返しが確定した。巨人の前半戦首位ターンは昨季に続き通算32度目。過去31度のうちリーグ優勝は26度ありV確率は84%と高い。2位と3.5ゲーム差以上引き離した22度は全て優勝。16日、17日と2連勝か、1勝1分けなら3.5ゲーム差以上での折り返しとなるがどうか。

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