鳥谷 V5号!天敵マエケンから今季29イニング目の初得点

[ 2013年7月8日 06:00 ]

<広・神>6回1死、鳥谷は前田健から右中間に先制の5号ソロを放つ

セ・リーグ 阪神4-0広島

(7月7日 マツダ)
 やっと、やっと、前田健から1点をもぎ取った。0―0の6回、1死走者なし。阪神・鳥谷が四球、一ゴロで迎えた第3打席だった。その初球、ど真ん中の134キロスライダーを完ぺきにとらえ、右中間席へ。少ない失投を見逃さなかった。

 「藤浪が頑張っていたし、粘りの投球をしていたので、先制点を取れて良かった。(スライダーは)狙ってない。たまたま。自分のスイングができたと思う」

 前田健には4月7日に7回無得点、5月1日も7回無得点、そして交流戦が明けて6月30日も9回無得点…。3敗を喫していたどころか、今季4試合目で、実に29イニング目にしてのチーム初得点だった。昨年からは31イニング目。それほどまでに難敵で、強大な敵だったが、ようやく一つやり返した。

 試合前の練習中には中年の男性ファンから「マエケンからホームラン打ってよ」とエールも飛んでいた。5月18日のソフトバンク戦(甲子園)以来、31試合ぶりとなる第5号の先制ソロは、結果的に決勝弾にもなった。虎党との約束と、藤浪の願い、そしてチームの思いを背番号1が七夕の日にすべて叶(かな)えてみせた。

 「前回のことは一切、考えていなかった。きょうは、きょう。きょうは、どうしようかと思っていた。(きょうも)しっかりコーナーに来ていたし、(前回の)甲子園と同じぐらい(調子は)良かったと思う」

 個人的にも区切りの日だった。入団1年目の04年9月9日のヤクルト戦(甲子園)からスタートした連続試合出場は1251試合。松井秀喜氏を抜いて歴代単独3位に躍り出た。「これからも1試合でも多く試合に出られるように頑張りたい」。鉄人と称された金本が猛虎を去り、その姿勢・魂は鳥谷が引き継いでいる。阪神の主将は、いつ何時もグラウンドに立ち続けている。

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2013年7月8日のニュース