楽天 7月以降球団初首位!2連発ジョーンズ「星野監督は自分たちの父親」

[ 2013年7月5日 06:00 ]

<楽・ロ>お立ち台に上がるジョーンズの帽子の裏には「勝利」「全力」の文字

パ・リーグ 楽天8-4ロッテ

(7月4日 Kスタ宮城)
 星野楽天がついに来た!楽天は4日、ロッテとの直接対決に連勝。4連勝で貯金を09年以来となる2桁に乗せ、同率首位に並んだ。7月以降でトップに立つのは球団創設9年目で初めて。メジャー通算434本塁打のアンドリュー・ジョーンズ外野手(36)が来日初の2打席連続本塁打で4打点をマークし、打線に火を付けた。星野仙一監督(66)にとっては勝負の就任3年目。闘将イズムが浸透したナインは、球団初のリーグ優勝を本気で狙っている。

 三塁ベンチ前での勝利のハイタッチ。星野監督は2打席連続本塁打のジョーンズにお尻をポンと叩かれた。ロッテに連勝し、同率ながら首位。しかし、中日、阪神で優勝を経験している百戦錬磨の指揮官は「首位といっても、まだ半分も消化していないから」と手放しで喜ぶことはなかった。

 それでもKスタ宮城のファンは、この勢いが本物であることを確信したに違いない。12安打で快勝。打線を引っ張ったのは4番・ジョーンズだ。初回に先制の12号2ランを放つと、同点で迎えた4回も13号勝ち越し2ランを左翼に運んだ。来日初の2打席連続本塁打にも「相手が投げたいところに投げた球を打てた。自分の仕事をしているだけ」と頼もしい。

 前日は試合が雨で中止になると、真っ先に室内練習場に向かった。体の突っ込みを修正するためにカーブマシンで黙々と打ち込む姿があった。メジャーではポストシーズンを10度経験し、ワールドシリーズにも出場した。そんな実績抜群の助っ人がベンチでは常に大声を出している。その姿にナインも触発された。

 今季40勝目。新規参入を果たした球団創設1年目の05年は38勝しかできず最下位に沈んだ。当時は「寄せ集め軍団」と揶揄(やゆ)された。外国人補強もメジャー級を補強することなく昨季までの8年間でAクラスは09年だけだった。

 楽天監督に就任して過去2年は5位、4位だった星野監督は昨年オフ、三木谷浩史オーナーと都内で会食した際に外国人補強について「“安物買いの銭失い”はやめましょう。優勝を狙うための補強をしましょう」と直訴した。闘将の思いは通じ、メジャー通算434本塁打のジョーンズと、同61本塁打のマギーが加入した。この日のジョーンズの2発で今季のチーム本塁打は53本となり12球団最少だった昨季の52本を早くも上回った。

 ジョーンズは帽子のツバの裏に「尊敬」や「全力」など日本語を書き込み、お立ち台では「サイコーデース」と日本語も初披露した。弱小時代を知らない男は「星野監督は自分たちの父親。喜ばしてやりたい」と本気で優勝を頭に描いている。そしてファンには「仙台にチャンピオンフラッグを持っていきたい」と約束した。

 貯金は09年以来の10に乗せた。「この時期は順位よりも貯金。あればあるほどいいからね」と星野監督。8年前に136試合で38勝しかできなかったチームが、70試合で40勝を挙げるまでに成長した。

 ≪最速40勝≫楽天がロッテに勝ち同率で4月9日以来の首位に立った。これまで楽天が首位に立ったのは09年の5月13日が最も遅く、6月以降では初めてとなる。楽天はパでロッテに次ぐ40勝到達。70試合目での40勝は昨年の80試合目(37敗3分け)を10試合上回る球団最速ペース。昨年は40勝目を挙げた次の試合から8連敗と失速したが今季はここから勝利を重ねられるか。

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2013年7月5日のニュース