38歳由伸 激走!代役4番が足で決勝点「久々に走ったよ」

[ 2013年7月5日 06:00 ]

<神・巨>6回無死一塁、村田の右前打で一走・高橋由は一気に三塁まで進みチャンスを広げる

セ・リーグ 巨人1-0阪神

(7月4日 甲子園)
 迷いなどない。巨人は0―0の6回無死一塁で村田が右前打。フルカウントでスタートを切っていた一塁走者の高橋由は三塁へ。右足を目いっぱいに伸ばして滑り込んだ。

 「勝呂(三塁ベース)コーチも回していたし、スタートも切っていたからね。久々に走ったよ」

 この回、先頭で二塁内野安打で出塁。そして激走後に、無死一、三塁からボウカーの右犠飛で生還した。貴重な先制点が決勝点。38歳は「みんながつないでくれたし、よく投手も抑えてくれた」と1―0の勝利を喜んだ。

 4月4日のDeNA戦(横浜)で走塁中に左ふくらはぎを肉離れ。野球人生初の足の筋肉系の負傷だった。快方に向かっていた5月21日。負傷後初のベースランニングを行うと「うまく足が出ない。これが肉離れか…」。衝撃は大きかった。

 励みになったのは、ファンの声援と家族の支え、そして巨人時代の先輩で、昨年現役を引退した松井秀喜氏(39)の言葉。同氏の引退セレモニーと国民栄誉賞授与式が行われた5月5日に二人きりで会話を交わした。晩年は両膝の故障で苦しんだ松井氏がふいに「選手をやらせてもらえるうちは、選手でいた方がいいよ」と漏らしたという。

 負傷でスタメンを外れた阿部に代わり、レギュラーシーズンでは11年9月3日のヤクルト戦(神宮)以来の4番。「慎之助の代わりはできない。自分のできることを精いっぱいやりたい」。この日は足でチームを鼓舞した。阪神との首位決戦に2連勝し、4・5ゲーム差とした原監督は「現状の100%で走ってくれた。4番?ベストの選択」とうなずいた。

 6回の守備から、患部への負担を考慮し途中交代した。それでも帰りはしっかりとした足取りでバスに乗り込んだ。「怖さ?それを言ったらきりがない。次、同じような場面があっても走りたい」。ユニホームを泥だらけにしたベテランが、力強く言い放った。

 ▼巨人・ボウカー(6回無死一、三塁から決勝の右犠飛)最低限の仕事はできたと思う。

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2013年7月5日のニュース