巨人&阪神 来季米国開幕戦を断念 加藤コミッショナー主導も…

[ 2013年7月5日 06:00 ]

 巨人、阪神両球団が来季開幕戦の米国開催を断念したことが4日、分かった。球界関係者が「日程や収支を考えると難しい。開催はできない」と明らかにした。

 両球団は来年3月15日に渡米し、アリゾナ州で調整した後、同21日に巨人の主催試合をカリフォルニア州ロサンゼルスのドジャースタジアムで、同22日に阪神の主催試合を同アナハイムのエンゼルスタジアムで行うことを計画。今年の初めには両球団の関係者が現地の練習場所や宿泊施設の視察を行い、12球団の実行委員会でも開催の意向を伝えていた。

 断念に至った大きな要因は収支面。現地のチケット、スポンサー収入も不透明な上、移動用のチャーター機の手配にもばく大な費用がかかる。特に阪神側にとってはドル箱カードである甲子園での巨人戦が1試合減ることは大きな痛手。ある関係者は「甲子園でやれば電車運賃収入や売店収入も見込めるが、米国で開催した場合、1億円以上収入は減る。赤字を出してまで行くのはどうか」と説明した。

 米国での開幕戦は、加藤良三コミッショナー(71)が両球団に開催を打診。来年80周年を迎えるプロ野球の記念行事としても位置付けていたが、日程面でも球界全体の後押しは得られなかった。来季の日本での開幕は3月28日が濃厚。米国で試合をした場合、帰国後1週間でシーズンが開幕することになり、時差などを考慮すればシーズンへの影響は避けられない。選手のコンディションに対する配慮も断念の大きな理由となった。

 開催断念は8日に行われる実行委員会において両球団から報告される方向。日本プロ野球による野球の母国への史上初の「里帰り」計画は、夢と消えた。

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2013年7月5日のニュース