直球のダル 力勝負でねじ伏せ8戦ぶり白星8勝目

[ 2013年7月2日 06:00 ]

レッズ戦に先発し、6回2/3を無失点で、8勝目を挙げたレンジャーズのダルビッシュ

インターリーグ レンジャーズ3―2レッズ

(6月30日 アーリントン)
 力勝負で相手も、米メディアも黙らせた。レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)は30日(日本時間7月1日)、レッズ戦に先発し6回2/3を4安打無失点で8奪三振。自己ワーストだった連続試合勝利なしを7で止め、5月16日タイガース戦以来、約1カ月半ぶりの白星となる8勝目(3敗)を挙げた。変化球中心だった投球から一変し150キロ台中盤の速球で押した。6日(同7日)のオールスター戦出場選手発表を前に最後のアピールにも成功した。

 約1カ月半ぶりの勝利。ダルビッシュは会見で米メディアからフォーシームが多かった理由を問われると苦笑いし「単純に周りがうるさいから」と冗談交じりに言った。

 117球中、フォーシームが3割の39球。通常の倍以上で、今季最も多かった。ツーシームやカットボールも含めれば、79球が速球系。象徴する場面が0―0の3回2死一、三塁、4番フィリップスとの対戦だ。「単純に真っすぐに力がありましたし、向こうが(直球に)遅れていたので」。5球全てが150キロ超えで、最後は外角低めにこの日最速96マイル(約154キロ)のフォーシームで空振り三振に仕留めた。

 多彩な変化球を持つため、試合ごとに状態の良い球種を軸にするのがダルビッシュ流だ。しかし、過去2試合はフォーシームはいずれも17球で約15%。勝ち星が伸びないこともあり、米メディアからは「直球に自信がないのか?」などの質問が飛んでいたが、そんな声も剛球で封じ込んだ。

 「きょうは僕の考えていることをやった。フォームも少し変えた」とだけ明かした微調整も効いた。一つは引き手の使い方。三塁側に伸ばす左腕をいつもより素早く畳んで左胸に絞り込んだ。連動して右腕の上がるタイミングも変わり、より打者に近い位置で球を離すことが可能となった。また、頭の位置がぶれないよう投球動作に入る際のグラブの位置を胸元から顔の高さへ。右打者の外角により対角線の角度をつけるために、軸足のプレート位置を半足分ほど三塁側に近づけた。

 「僕に勝ちが付くというより、僕が投げている試合でチームが勝っていなかったので」と喜んだダルビッシュ。試行錯誤の末につかんだ1勝は今後の糧となる。

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2013年7月2日のニュース