ここ5試合で3度目逆転負け 野村監督ため息

[ 2013年6月30日 06:00 ]

<神・広>9回2死一、二塁、久本は大和にサヨナラ打を打たれる

セ・リーグ 広島3-4阪神

(6月29日 甲子園)
 歓喜に沸く猛虎軍団とは対照的に、肩を落とした赤ヘルナインは三塁側ベンチへと静かに吸い込まれていく。痛恨のサヨナラ負けに、広島の野村監督も苦悩の表情だった。

 「1週間に3つか…。勝てる試合を落としたのは。そういうところをキッチリやらないと…。やってはいけないミスはなくさないといけない」

 8回に2点差を逆転された25日の巨人戦(マツダ)。ともに3点リードを引っ繰り返された28日とこの日の阪神戦(甲子園)。悪循環は止まる気配を見せず、借金は今季最多11にまで達した。

 悲劇は“ミス”から始まった。同点の9回から登板した3番手・久本が1死から高山に四球。カウント0―2と追い込んでからの4球連続ボールで出塁させると、次打者・関本にも四球を与えた。相手に好機をお膳立てすれば、最悪の結末を招くことは必然だった。

 指揮官は「打たれたくない、は分かるが…。敬遠以外の四球は全てミスです」とする。打線は序盤で3点を先行。先発・大竹も同点とされるも、6回3失点と粘りを見せた。今村が不調のため、出場選手登録を抹消されており、苦しい中継ぎ陣の台所事情であることは間違いない。それでも得意の接戦に試合を持ち込んだだけに、勝ちきれないことが歯がゆかった。

 負のスパイラルを断ち切るのはエースを置いて他にはいない。30日は前田健が先発する。右脇腹痛による登録抹消などもあり、6月は3戦未勝利。右腕は悲壮な決意でマウンドに上がる。

 「調子は良くないですが、ここまできたら“悪い”と思ってマウンドに上がるしかない。いろんな球種を使って、いい球を探してやっていく」

 黄金ルーキー・藤浪との対決は実現しなかったが、前田健は高いモチベーションでチームの連敗ストップに向け、全力で右腕を振る。

 シーズンはまだ折り返し地点を過ぎていない。7勝12敗と苦しんだ6月をエースとともに白星で締めくくり、浮上へのきっかけをつかむ。ここが赤ヘル軍団の正念場だ。

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2013年6月30日のニュース