ムネリンに何が!わずか48時間再昇格 外野手負傷も異例の抜てき

[ 2013年6月29日 06:00 ]

メジャー再昇格が決まった川崎

 え~、わずか48時間で再昇格!ブルージェイズは27日(日本時間28日)、傘下3Aバファローの川崎宗則内野手(32)のメジャー昇格を発表した。この日のレッドソックス戦でメルキー・カブレラ外野手(28)が左膝を痛め、故障者リスト(DL)入りが決定。25日のマイナー降格後、わずか2日での帰還を、地元メディアも大歓迎ムードで報じた。川崎は28日(同29日)のレッドソックス戦からチームに合流する。

 「アイムジャパニーーーズ!」。爆笑インタビューでトロント一の人気者となった川崎が帰ってくる。レッドソックス戦でカブレラが左膝を痛め、DL入りが決定し、同時に川崎の昇格も発表された。地元のトロント・スター紙(電子版)も「戻ってきた時の第一声は、忘れられないものになる」と歓迎ムードだ。

 同紙が「まるでジェットコースターのよう」と例えたように目まぐるしい2日間だった。25日、敵地セントピーターズバーグでのレイズ戦後、正遊撃手レイエスの復帰に伴いマイナー落ちが決定。エース格のバーリーが「こんなことは初めて」という異例のミーティングが開かれ、ナインの前でジョン・ギボンズ監督から降格が発表された。午後10時頃だった。

 翌26日に3Aバファローの遠征先ジョージア州グウィンネットに移動。この日はグウィンネット戦に「8番・二塁」で出場して4打数2安打。再スタートしたばかりだが午後10時頃、再昇格が決定。日本ならば出場選手登録を抹消されると10日間再登録できないが、メジャーではDL入りする選手の代わりならば、日数は関係ない。日本ならあり得ない、ドラマチックな48時間となった。

 ブ軍はカブレラの離脱により、外野手がバティスタ、デービス、ラスマスの3人になる。本来なら外野手を補充したいところだが、首脳陣が60試合で打率・225の川崎を選択したのは、背番号66がチームにもたらすエネルギーだ。地元トロントではカワサキコールが鳴りやまず、ネット上では球宴に送りだそうとする呼びかけも発生した。遊撃手にレイエスが君臨するが、トロント・スター紙は「右投手相手の試合では、両打ちのボニファシオを左翼に回せば、川崎を二塁で起用できる」とも提言する。

 「最高のチーム、ファンの中で2カ月プレーさせてもらって、感謝の気持ちでいっぱい。練習して、実力を上げられるように必死にやりたい」

 マイナー落ちの際、そう言った川崎。「25人目の男」が激戦のア・リーグ東地区に再び飛び込む。

 ▽再昇格 日本と同様に、大リーグでもマイナーに降格した選手は、降格から10日間は再昇格することができないとの規定がある。ただし、日本と違って大リーグではDL入りする選手に代わる場合は日数に制約がない。今回の川崎の場合も降格後2日しか経過していないが、DL入りしたカブレラの代わりであることから、再昇格が可能となった。

 ≪川崎の爆笑名場面≫

 ☆お立ち台で絶叫 5月26日のオリオールズ戦で、9回に逆転サヨナラ打。勝利インタビューでデローサから手招きされると、マイクを奪って「マイネームイズ、ムネノリカワサキ。アイムジャパニーーーズ!」と絶叫。さらにカンペを広げてあいさつし、その映像はスポーツ専門局ESPNでも繰り返し放送された。

 ☆カナダ人 6月中旬、地元トロントでの試合前に、ファンにサインをしながら「アイムジャパニーズ。ナウ、アイムカナック(カナダ人)」と意味不明の言葉を繰り出す。さらにカナダ国歌(オー・カナダ)を歌い始めてファンも大盛り上がり。

 ☆勝利のダンス 6月23日のオリオールズ戦で球団タイ記録の11連勝。その後、次の遠征地へ向かうチームのチャーター機内で、狭い通路でリズムに乗ってノリノリダンス。その姿は主砲バティスタによって撮影され、動画がインターネット上にアップされると視聴回数は13万回以上に上った。

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