星野監督 渡辺監督と9回2死から乱闘騒ぎ 発端は初回のジョーンズ

[ 2013年6月28日 06:00 ]

<西・楽>両軍が入り乱れる乱闘となり、渡辺監督(左)と星野監督も詰め寄る

パ・リーグ 楽天10-1西武

(6月27日 県大宮)
 あと一人でエキサイティングだ。27日、西武―楽天戦が行われた県営大宮で乱闘が起こった。9回2死無走者の場面で、楽天の小山伸一郎投手(35)が西武のライアン・スピリー外野手(33)の背後を通過する球を投じ、両軍ベンチ総出の乱闘に発展。星野仙一(66)、渡辺久信(47)両監督も激しくやり合う事態となり、警告試合が宣告された。楽天が10―1で大勝したが、パ・リーグの上位を争う両球団に新たな遺恨が生まれた。

 9回2死。楽天が10―1と大量リードの中で、「事件」は起きた。

 小山伸 プレー中のスライディングでどうこうやられても…。あの展開(9点リード)で僕が行くんだから、そういう意味でしょ。

 セットアッパーの小山伸がスピリーに投じた初球。143キロの速球が背後を通過する。スピリーがマウンド上の小山伸に鬼の形相で歩み寄るが、小山伸は帽子を取ることもなく、逆に「何だ」とばかりに胸を突き出す。にらみ合ったままの両者の距離が縮まると、両軍ベンチからコーチ、選手が一斉に飛び出した。

 まず三塁ベースコーチの西武・河田外野守備走塁コーチが小山伸のユニホームをつかみにかかる。もみ合う中で、小山伸は右耳の後ろに裂傷を負った。ベンチから遅れてきた西武・渡辺監督も、ラズナーに捕まり、引きずり回される。ジョーンズも参戦して同監督と激しく口論。そして、ついに両軍の将がもみ合いの輪の中になだれ込んだ。

 渡辺監督 野球を真剣にやっている中で、あるっちゃあること。そんな大したことじゃない。

 星野監督 何もエキサイトしとらんよ。

 試合後の言葉と裏腹に、激しくやり合った。最後は闘将が渡辺監督の右腕をがっしりつかみ、押し切るような形で事態はようやく収束。小林球審は警告試合を宣告。直後に、小山伸はスピリーを三振に仕留めると、ガッツポーズをした。

 伏線は十分にあった。初回1死満塁。マギーの三ゴロで一塁走者だったジョーンズが併殺阻止のため、二塁ベースカバーに入った山崎へ、スパイクの歯を向ける形でスライディング。山崎は左足首を痛めて負傷交代した。そして7回に、ジョーンズが西武・山本から左手に死球を受けた。

 楽天・仁村チーフコーチ 西武はいつもそう。いいんじゃないですか、やられたらやり返すで。

 星野監督 スライディングは当たり前のプレー。三塁手が二塁に投げるのが遅かった。

 楽天ベンチは「報復死球」と受け取った。一方で、西武側は憤慨した。

 西武・河田コーチ スライディングは仕方がないと判断していた。ジョーンズの死球だって投手の失投。これを報復と取られたんじゃあ、いつもケンカしないと駄目。

 ジョーンズへの死球はあくまで、投手の制球ミスとの主張。実際、山本は直後に帽子を取り、「謝罪」している。

 試合後のベンチ。ふがいない試合をしたナインに向け、渡辺監督の怒声が響きわたった。

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