ペナントのカギは巨人との直接対決 阪神の強みは能見の存在

[ 2013年6月27日 08:56 ]

雨天中止が決まり球場から引き揚げる阪神・能見(中央)

 【スポニチ評論家・鈴木啓示氏が分析】

 現在の状況から判断する限り、阪神と巨人がペナントレースを争う展開は変わらないだろう。マッチレースとなれば、やはり直接対決をいかに戦うかがカギを握るのではないだろうか。

 投手陣の比較で言うならば、現時点では五分五分と見る。ただ、一時の勢いがなくなった巨人先発陣に対して、安定感あるピッチングを見せるようになった能見の存在が阪神にとっては強みだ。最近の能見を見て、つくづく大人のピッチングができるようになったと思う。従来のストレート頼りの投球から、押すところは押し、併殺打が欲しいところでは低めの変化球で仕留めるというメリハリの効いたピッチングができるようになった。

 巨人とは3.5ゲーム差。オールスターまでの前半戦は甲子園で2カードが組まれている。大事なのは初戦を取ること。そうすればカード勝ち越しが見えてくる。軸になるべき投手はもちろん能見である。甲子園での試合だけに投手陣が踏ん張れば勝機は増えるはず。能見は長いイニングを任せられるだけにリリーフ陣にかかる負担が少ないことも有利な要素である。

 夏場は投手にとって苦しい時期ではあるが、こういう時に白星を稼ぐことができるのが一流の証しだと思う。この点についても、このところ球数が少なくなってきた能見には期待している。

 何より、能見の発言を聞いていると、エースらしい言葉を発してきているのが頼もしい。自分のことだけでなく、チームとしての視点を持ったコメントが多くなってきたように思える。今の状態ならゲーム差を縮めることに、希望が持てる。

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2013年6月27日のニュース