打球直撃影響なし…能見、巨人戦先発へ「問題ないんじゃない」

[ 2013年6月27日 08:55 ]

雨天中止が決まり球場から引き揚げる阪神・能見(中央)

 阪神・能見篤史投手(34)が来週7月2日の巨人戦(甲子園)に予定通り先発登板できる見通しが立った。左足首への打球直撃による緊急降板から一夜明けた26日に患部の回復を強調。首脳陣との間で次回登板へ向けて支障がないことも確認した。この日勝利した巨人とは3・5差に広がったが、7月前半に6度の直接対決が集中。2度の登板を予定するエースに寄せられる期待は大きい。

 能見は緊急事態などなかったように涼しい顔だった。「大丈夫じゃない」。症状を問う声も制した。「もういいですよ。その話は。問題ないんじゃない」。淡々とした口調で不安を一蹴した。球場に到着した際も左足には一切の治療器具を付けていなかった。左足を引きずる様子もなく自然に歩いた。

 4試合連続完投を目前にした25日の中日戦は9回1死で和田の強烈なゴロを左足首に受けて降板していた。打球直撃の場合は翌日になって痛みが増すことも多いという。だから、黒田ヘッドコーチも心配していた。「朝になったら腫れも引いていた。大丈夫やろう。本当に当たったのか、というくらいだった」。中西投手コーチも断言した。「予定通り行けそうだ」。予定とは7・2巨人戦のことだ。

 そもそも交流戦明けの初登板を中9日空いた25日の中日戦にしたのも巨人との直接対決を考慮したからだ。万が一にも負傷の影響が長引いていればG倒戦略の見直しを迫られる事態だった。

 26日の中日戦の雨天中止を受け、先発予定だったスタンリッジは28日の広島戦を経て7月4日の巨人戦へ回ることが濃厚になった。「雨は好きじゃない。問題ない。すぐに投げると思うよ」。12日の日本ハム戦を最後に実戦を遠ざかるだけに出番を待ちわびた。

 代わって広島3連戦での先発登板を前提とした秋山の1軍招集は1週間の先送りが決定。中西投手コーチが「照準は巨人だから」と意図を説明した再編策は、巨人3連戦の初戦に能見が予定通り登板できる見通しが立ったからこそ可能だった。

 巨人とは球宴前に2カードが控え、能見は7月15日からの3連戦にも登板を予定。2度とも大事な先陣役だ。和田監督は宿敵との一騎打ちへ決意を新たにした。「現時点ではオールスターまでにどの位置に付けるかが大事。そこで離されたら元も子もない。それなりの位置に付けてオールスターに入っていけるようにしたい」。能見→榎田→スタンリッジを投入して、4月9日からの甲子園3連戦で3試合30イニング無失点に抑えた再現を狙う。いまは3・5差。どれだけ詰められるか。奪首はあるのか。けん引役はエースに託す。

 登板明け2日目の27日は休養日。28日からの通常調整を問われた能見は「うん」とうなずいた。巨人との激突に思いを向けながら雨の金沢を後にした。

 ≪今季巨人戦は9戦6勝≫今季の阪神は巨人と9試合を行い、6勝2敗1分け。先発投手は3カードすべて、能見→スタンリッジ→榎田の順番だった。4月に甲子園で行われた3連戦は、9日の初戦で能見が2―0完封。10日は5投手の継投で延長12回0―0ドロー。11日は榎田が8回途中2安打の好投で3―0と、3試合計30イニングを無失点に抑えている。

続きを表示

2013年6月27日のニュース