桐光 松井が負けた…打たせて取るはずが直球狙われた

[ 2013年6月24日 06:00 ]

<桐光学園・関東第一>試合後に真剣な表情でミーティングに参加する桐光学園・松井

練習試合 桐光学園1―4関東第一

(6月23日 桐光学園)
 松井が負けた――。昨夏の甲子園で1試合22奪三振の大会記録を樹立した桐光学園(神奈川)の松井裕樹投手(3年)が23日、関東第一(東東京)との練習試合に先発。直球、スライダーともに切れを欠き、9回を7安打4失点で敗戦投手となった。第95回全国高校野球選手権大会(8月8日から15日間、甲子園)への出場を懸けた神奈川大会に向けて不安を残す投球となった。また、今春センバツを沸かせた済美の最速152キロ右腕・安楽智大投手(2年)も同日、練習試合2試合に登板した。

 松井の顔が回を追うごとに曇る。常々「三振は意識しない。球数を少なく、連投できるようにするのが課題」と話してきた。しかし、打たせて取るために投じた直球をことごとく痛打され、最終的に球数も142球を費やした。

 7被安打のうち6つが直球によるものだった。関東第一が取ったのは徹底した直球狙い。3安打1打点の3番・井橋も「直球しか待っていなかった」と証言する。それを象徴したのが1―1で迎えた8回。1死三塁から2番・伊東に直球を二塁内野安打された。続く井橋にも直球を運ばれ、中越え三塁打。さらに遊ゴロの間に失点し、今春の公式戦では最大1試合3失点で黒星のなかった左腕が、4点を取られた。

 この日は6奪三振。5つをスライダーで奪った。視察に訪れた阪神・北村照文スカウトは「三振を取ろうと思えばスライダーを多投すればいい。打たせて取ろうとしたところを運ばれただけ」と評したが、最速146キロを計測した直球にいつものような切れはなく、空振りも思うように奪えなかった。「伝家の宝刀」であるスライダーも制球が定まらず、結果としてピンチでも直球に頼らざるを得なかった。

 神奈川大会を前に、チームは6月に入り木曜日から月曜日の5日間のミニ合宿を繰り返し、体力的にも追い込んでいる。午前5時半に起床し、6時からグラウンド10周のランニング。授業を挟んで夜は9時半まで夜間練習を行う。さらに松井は前日に常葉学園橘(静岡)との練習試合で3回36球を投げた。疲労はピークに達している。いつもは体全体をバネのように使う松井だが、下半身の踏ん張りが利かずフォームが安定しない。そのため球に力が伝わらない。

 「春先より成長した夏のバッターを打ち取るのは大変。松井もなるほどと思ってくれたはず。ずっと右肩上がりにいくことはない」と野呂雅之監督。その上で「これ(きょうの投球)が公式戦で1試合でも出たら終わり」と厳しい口調で話した。2年連続で甲子園の土を踏むには、神奈川190校の頂点に立たなければならない。ある意味、甲子園で勝ち抜く以上に難しいことだからだ。

 この日は昨夏甲子園で正捕手を務め、現在は東農大でプレーする宇川が観戦。「スタミナが足りないと思ったらすぐに走り込む。制球が定まらなかった試合後は、フォームが固まるまでネットにボールを投げ込んでいた。だからあいつは日に日に良くなっていく」と当時を振り返った。松井の神奈川大会初戦は7月14日。中央農と相洋の勝者と対戦する。それまでまだ3週間。修正する時間は十分にある。

 ▼巨人・長谷川国利スカウト 腕の振りはやっぱりいい。(敗戦したのは)今が一番きつい時期だからね。

 ▼DeNA・吉田孝司スカウト部部長 本大会に向けて今は投げ込んで走り込んで疲れさせている時期。これから疲れを抜くだろう。

 ▼中日・中田宗男スカウト部長 生命線の低いスライダーは数を抑えていた。半分試しの投球だったんだと思う。

 

続きを表示

この記事のフォト

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2013年6月24日のニュース