ロッテ 西野 年俸440万円だから切実 “打たれたら罰金”で大谷斬り 

[ 2013年6月24日 06:00 ]

<ロ・日>ロッテ・西野は7回1失点で3勝目を挙げる

パ・リーグ ロッテ2-1日本ハム

(6月23日 QVC)
 ロッテの西野勇士投手(22)が22日、新人王争いのライバルで、二刀流に挑戦中の日本ハムの新人、大谷翔平投手(18)との初対決に完勝した。「打者・大谷」との3度の対決で安打を許さず、7回1失点。チームトップとなる7勝目を挙げた。育成出身で5年目の叩き上げ右腕が、ドラフト1位ルーキーを相手に意地を見せた。

 育成出身の意地を。雑草としての魂を――。西野はその1球に込めた。2回。押し出し四球で先制点を献上し、なお2死満塁。打席には、まばゆいばかりの光を放つ二刀流ルーキー・大谷がいた。フォークボールを4球続けて2ボール2ストライク。最後は決めていた。141キロの直球。どん詰まりの二ゴロに仕留めた。

 「内角の真っすぐ。ちょっと甘かったけど、フォークを意識させていたので詰まらせることができた」。苦労を重ねてはい上がってきた育成出身の22歳が、格の違いを見せつけた。甲子園出場も、157キロの直球もない。ましてや二刀流でもない。そんな西野がチームトップの7勝目。新人王争いのライバルを手玉に取ったのだから痛快だ。

 「序盤は慎重になりすぎてテンポが良くなかった」。2回まで3安打3四球で52球を要した。大谷を二ゴロに抑えた直後。一塁ベンチに戻ると、捕手の江村とともに伊東監督に呼ばれた。「打たれてもいい!もっとテンポを速く、大胆にいけ」。これで「開き直った」という。3回以降の5イニングは無四球。55球で片付けた。大谷は3打席全て内野ゴロに打ち取った。

 昨季まで2軍で慣れ親しんだデーゲームだが、1軍での先発は初めてだった。ナイターの際は「目覚まし時計はかけないで寝ている」が、この日は午前7時に起床。8時30分すぎにはグラウンドに出た。何より「罰金」を避けたかった。指揮官から出ていた指令は「(大谷は)かなり質が高い打者。最初が肝心。打たれたら罰金を取る」。大谷の1500万円の3分の1以下、年俸440万円の右腕は「僕、安いので」と罰金セーフにはにかむような笑顔を浮かべた。

 試合後。右翼席のファンから「お前がエースだ!西野!」の大コールが湧き起こった。楽天の則本を勝ち星で抜き、新人王の最有力候補でもある。「心の中では(意欲を)持っている。ここまできたら、やっぱり…」。その先の言葉はのみ込んだが、熱い思いは、この日の投球が証明していた。

 ▼ロッテ・伊東監督 きのう成瀬で落としたし、プレッシャーのかかる試合。西野は苦しみながら1点に抑えてくれた。(相手は大谷)1人じゃないけど、打たせるわけにはいかない。西野の中にも意識はあったと思う。

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