大谷 広島戦は「5番・投手」濃厚 栗山監督「勝つために」

[ 2013年6月18日 06:00 ]

羽田空港で飛行機の出発を待つ日本ハム・大谷

 日本ハムの二刀流ルーキー大谷翔平投手(18)が18日、交流戦最終戦となる広島戦(マツダ)で3度目の先発マウンドに上がる。セ・リーグ本拠地のため、初めて同じ試合で投打をこなす大谷は「5番・投手」で起用されることが濃厚。自らのバットでプロ2勝目をたぐり寄せることができるのか。究極の二刀流へ、18歳が投げて、打つ。

 大谷を何番に置くのか。栗山監督の腹は決まっているようだった。「あと一晩考えさせて」と言いながら、トーンは数日前とは明らかに違っていた。

 「負担も考えたけど、それはゼロに戻して考える。5番に入れる可能性もある。それだけ結果を残しているわけだから。それは認めてあげないといけないと思うよ。3番ピッチャーとかなら、セ・リーグではない形でしょ?桑田(元巨人)でもなかったよね?」

 当初は投球への負担を考えて下位打線での起用を口にしていた指揮官が、広島入りしたこの日は一転、中軸で起用することを示唆。「左打者として機能するバッターとして考える。勝つために勝ちやすい並びを考える」。それだけの結果を大谷は残してきた。ここまで25試合に出場して打率・328。ここ3試合は5番、3番と中軸で起用されているが、中軸を任された5試合では19打数9安打の打率・474、うち二塁打6本。指揮官は「打者・大谷」にも大きな期待を寄せている。

 大谷自身は「チームがいい流れで来ているので何とか勝ちたい。基本的には投手としてゼロに抑えたいけど、打席では全力で打ちにいきたい。自分で自分を助けられれば」と投打二刀流での活躍を誓った。前日の広島戦(札幌ドーム)は登板に備えて欠場。首脳陣からベンチ裏で広島打線の研究をするよう指示されたが、試合に出たくてうずうずしている18歳は何度もベンチに姿を見せるなど今は野球をするのが楽しくて仕方ない様子だ。

 栗山監督が考える究極の二刀流は、指名打者制のあるパ・リーグの本拠地でも打席に立たせること。マウンドを降りてからも守備に就くこと――だ。「今回それはないかな」と降板後に右翼へ回すことは否定したが、18日はそんな究極の二刀流への第一歩。漫画のような世界が実現する日はそう遠くはない。

 ≪川上哲治は先発&4番も≫戦前では川上哲治(巨)が投打二刀流で活躍。38年春から41年まで通算25試合に先発登板し、4番3試合、5番10試合とクリーンアップに13試合座った。また戦後の46年には野口二郎(阪急)が規定投球回、規定打席をいずれもクリア。主に4番を務め打率・298(9位)、防御率2・67(5位)と投打とも10傑入りを果たした。なお、日本ハムではチーム創設3年目(当時急映)の48年4月29日大陽戦で、白木義一郎が5番打者として先発登板している。

続きを表示

2013年6月18日のニュース