会沢孤軍奮闘1発含む2安打2打点 死球禍乗り越えた

[ 2013年6月17日 06:00 ]

<日・広>9回無死、会沢は左越えソロを放つ

交流戦 広島2-3日本ハム

(6月16日 札幌D)
 あの死球禍から完全復調だ。広島・会沢翼捕手(25)が16日、日本ハム戦(札幌ドーム)に「6番・DH」で先発出場し、2安打2打点と孤軍奮闘。2点を追う4回、顔面に近づく変化球を中前適時打すれば、9回には意地の2号ソロを左翼席へ叩き込んだ。試合には2―3で敗れたが、その投球を恐れない闘志と、打撃センスは大きな魅力。今後の成長に期待が膨らむ。

 札幌ドームの右翼席に陣取る、赤ヘル党の胸を最後まで熱くした。2点を追う9回、先頭の会沢が意地の一撃を敵の守護神・武田久に見舞う。カウント1―2と追い込まれてからの5球目、真ん中高めの139キロ直球をジャストミート。打球は左翼席へ飛び込んだ。

 「何とか塁に出ようという気持ちが、あぁいう結果になった。今は1打席1打席を大事に…と思ってやっています」

 前田健と同期入団の7年生だが、過去6年間で本塁打は1本。それがどうだ。「9番・捕手」で先発した13日の楽天戦(Kスタ宮城)で、則本から3年ぶりのアーチをかけると、スタメンでは2試合連続となる2号ソロをこの日も打った。

 一発だけじゃない。0―2の4回には、2死三塁の好機に鮮やかな中前タイムリー。左腕・武田勝が2―1から投じた、顔面に近づく高めスライダーをはじき返した。「追い込まれるまでは、打てる高さだけを狙っていた」。闘志あふれる25歳らしい快音だった。

 昨年8月2日、DeNA戦(横浜)が記憶に鮮烈だ。山口の148キロが顔面を直撃し、倒れて動かない会沢を運ぶため、救急車が乗り入れたシーン。鼻骨骨折だけで終わったのが幸いだった。実戦復帰は秋。「さすがに最初は打席に立つのが怖かった」。本音だった。

 入団1年目の07年、浅井2軍打撃コーチ(現3軍統括コーチ)の話が印象深い。「最初は右投手の内角スライダーに腰が引けたのに、同じ球が来た時は踏み込んで向かって行った」。これこそが会沢の強さ。死球禍による恐怖心を克服し、再昇格につなげた原点だ。

 「タイムリーを打ったし、最後(の本塁打)もね。会沢はいい仕事をしてくれた」。2安打2打点を野村監督は称える。完全復調をアピールしたタイムリー、“2試合連続”弾。25歳は言った。

 「恐怖心はもう全然ない。投手としっかり勝負できています。打席では力まないことが大事。これを続けていきたい」

 敗戦の中でキラリと光った不屈の闘志。打てる捕手・会沢の近未来が楽しみだ。

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