2軍落ち松中「水を差してしまい申し訳ない」…謝罪の書き置きも

[ 2013年6月15日 06:00 ]

13日のヤクルト戦で8回に代打で中前打を放ったソフトバンク・松中

 交流戦優勝から一夜明け。ヤフオクドームでの全体練習を包んだお祝いムードは、その質問で吹っ飛んだ。「松中の登録抹消は和を乱したということか?」。笑みを浮かべていた秋山監督の表情が一変した。

 「当たり前だ。思い出させるな。気分が悪くなる」。これ以上ない怒気を込め、吐き捨てた。

 事件は優勝を決めた試合後に起きた。2位の楽天よりも、先に試合を終えた選手は、ロッカールームのテレビで楽天の結果を見守った。だが、松中は説得する関係者の言葉に耳を貸さず「僕はいい」とセレモニーの前に球場を後にした。04年には3冠王に輝いた男。代打で5打数1安打の交流戦で喜ぶ権利はないと判断したのかもしれない。ただ、それは自分自身の起用法への不満と受けとられても仕方なかった。

 球団行事の無断欠席という「裏切り」に秋山監督は、同日中に2軍降格を即決。現役時代はグアム自主トレに同行させるなど、常に目をかけた愛弟子だけに怒りは倍増した。「無期限2軍か」の質問には「知らないよ」とだけ不機嫌そうに答えた。球団関係者は「失った信頼を取り戻すには、それ以上の時間がかかる」と秋山監督の思いを代弁。無期限の2軍調整は避けられない。

 事態を重くみた球団側は、15日にヤフオクドームで対応を協議。柴田三郎チーム運営部長は「まずはチーム関係者で集まって話し合う」と話し、罰金などの処分が下る可能性もある。この日早朝にヤフオクドームへ荷物整理に訪れた松中は、選手ロッカールーム内のホワイトボードに「水を差してしまい、申し訳ない」と謝罪の言葉を残した。ただ、その行為の代償は謝っただけで消えるものではない。

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