大谷 マエケンも打つ 18日二刀流に弾みつける

[ 2013年6月15日 06:00 ]

バント練習中におどけた表情を見せる日本ハム・大谷

 マエケン討ちでプロ2勝目へ弾みをつける。日本ハムの大谷翔平投手(18)が15日、広島戦(札幌ドーム)で野手として3試合ぶりに先発出場する。相手先発は日本を代表するエースの前田健太投手(25)。投手として次回先発が決まっている18日の同戦(マツダ)に向け、これ以上ない相手と対峙(たいじ)する。

 札幌ドームで行われた全体練習。ブルペン投球にフリー打撃と「二刀流調整」をこなした大谷は汗を拭いながら、相手エースの前田健攻略へ意欲を見せた。

 「日本を代表する素晴らしい投手。全体的にバランスがいい。得点があまりできないかもしれない中で打席に立たないといけないので、ワンチャンスをものにできるように。自分の仕事ができるようにしたい」

 野手として先発出場した8、9日のヤクルト2連戦(神宮)ではともにマルチ安打をマークした。11日には2軍戦に先発したことから、ここ2試合は先発を外れたが、打撃面で好調をキープしている。交流戦も残り3試合。「いい波のうちにいい方向に持っていきたい」と安打量産を狙う。相手となる広島は、初めて投げて、打席にも立つ18日に対戦するチームでもある。右翼守備については「打者傾向を見てポジショニングを確認するので、自然と頭に入ると思う」と「投手・大谷」にも生かしていく考えだ。

 この日のブルペンでは81球を投げ込んだが、その中で意識したのはカーブのコースへの投げ分け。見守った黒木投手コーチは「きっちりできていたし、試合にも使えると思う」と太鼓判を押した。直球、スライダーを軸とする右腕だが、黒木コーチは「あとカーブをストライクとボールに投げ分けることができれば、相当な投球をする。これまでスーパーエースと呼ばれた投手は、そういう投げ分けが18歳や19歳でできていた」と話す。ダルビッシュや田中、そして前田健らが歩んだ道へ。精度を上げつつあるカーブについて、大谷自身も「試合でも使える球だと思うので、機会があればどんどん使っていきたい」と自信を口にした。

 「怪童」と呼ばれた尾崎行雄氏が13日に肺がんのため死去。同氏は球団の前身である東映時代の62年に新人王を獲得した。球団の高卒1年目では尾崎氏以来の新人王を目指す大谷は「少しだけ知っていました」と話した。同じ剛速球右腕として、そしてマエケン打ちで二刀流の凄さを天国の大先輩に届ける。

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2013年6月15日のニュース