原巨人 AKBで堅首 ボウカー弾はセ、パ初球団通算9000号

[ 2013年6月9日 06:00 ]

<巨・楽>6回1死、阿部が16号決勝弾

交流戦 巨人5-3楽天

(6月8日 東京D)
 「AKB」のバットがサク裂し、巨人はセ・リーグの「センター」の座を死守した。8日の楽天戦で「K」の亀井善行外野手(30)が3回に先制打を放てば、4回には「B」のジョン・ボウカー外野手(29)が故障から復帰後初本塁打となる7号2ラン。同点で迎えた6回には「A」の阿部慎之助捕手(34)が2試合連発となる決勝16号ソロを放った。原監督率いる「チームH」は4連勝で、2位・阪神との0・5ゲーム差をキープ。交流戦の勝率を5割とした。

 「K」と「B」に続き、真打ちの「A」が決めた。3点差を追いつかれて迎えた6回1死。2ボール2ストライクから、阿部は菊池の甘いフォークを叩きつぶした。

 「ちょっと詰まり気味だけど(バットを)上からポンと出せた」。勝ち越しの右越え16号ソロ。6日の日本ハム戦(東京ドーム)でも8回に逆転3ランを放っており、2試合連続の決勝弾だ。

 交流戦通算47本目は、DeNA・ラミレスに並ぶ歴代3位。だが、それ以上に阿部が内容を評価したのは8回、この日3安打目の右前打だった。内角の厳しい146キロを、6日の本塁打と同じく抜群の反応でさばき、右翼線へ鋭くはじき返した。「あれができるようになったので状態は上がっている。あそこを振りすぎて凡打していた。それが自然にできている」。

 振りすぎない――。これが昨季からの阿部のチェックポイント。2打席目までは練習用と同じオリックス・李大浩(イ・デホ)モデルのオレンジバットを握った。重心がヘッド寄りの長距離型で、遠心力がより働くので強振しなくても飛ぶ。「ヘッドを利かせるバット。練習の時のように振りすぎない、その感じをつかむために使った」。第3打席からは普段の白木のバットに戻し、2打席連続安打。打率・292は1カ月ぶりに戻した数字で、復活した内角のさばきは好調モード突入を意味する。

 4回には右手小指骨折から5日に復帰したボウカーが7号2ラン。昨季は本拠地でロッカーが隣だった阿部の助言もあり、シーズン中に同じ契約メーカーのバットに替えた。そのバットで日本シリーズ2発7打点の活躍で残留をつかみ、4月の快進撃も支えてきた。「阿部さんとは同じ左の長距離砲で似ていると思うし、助言もよく聞く」とボウカー。「A」と「B」の今季2度目のアベック弾だった。

 5連敗後の4連勝。9日は開幕7連勝中で、前回5月22日の対戦(Kスタ宮城)で完投勝利を許した田中と対戦する。「マー君を打って勝ちたい」。威勢のいい主将の言葉とともに、巨人に力強さが戻ってきた。

 ▼巨人・亀井(3回2死二塁で先制の左前適時打)先制点を取れるとリズムが出る。取れてよかった。でも、その後が続いてないので…。

 ≪通算9000本≫巨人は楽天戦の4回にボウカーが本塁打を放ち、50年の2リーグ分立後のチーム本塁打数が通算9000本に到達した。セ、パを通じ9000号に乗せたのは巨人が初めて。分立後の初本塁打は、50年3月11日の西日本戦で青田昇が記録している。なお、1リーグ時代の439本を合わせたチーム通算本塁打は、この日で9440本となった。

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