桐光 松井 “脱三振”連投覚悟 7・14夏初戦決定

[ 2013年6月9日 06:00 ]

ベンチから試合を見守る桐光学園・松井(中央)

 第95回全国高校野球選手権(8月8日から15日間、甲子園)の地方大会は8日、全国のトップを切って神奈川大会の組み合わせが決まった。大会は7月7日に開幕。昨夏代表で甲子園で1試合22奪三振の大会記録を樹立した松井裕樹投手(3年)擁する桐光学園は同14日に、中央農と相洋の勝者と初戦を行う。連投を視野に入れる松井は「脱・奪三振」で190校の頂点を目指す。

 甲子園、そして全国制覇を狙う松井は「ピンチでは三振を狙うが、意識していない。球数を少なくして、連投できるようにする」と決意を口にした。

 190校がひしめく激戦区を勝ち抜くことが第1関門となる。猛暑の中で7試合を突破しなければならない。「自分は全部行くつもりでやっている」。昨夏甲子園は連投の末に敗戦を喫した。3回戦の浦添商(沖縄)戦で9回142球を投げて12奪三振で勝利したが、翌日の光星学院(青森=現八戸学院光星)戦では疲労から球が高めに浮き3失点で散った。

 スライダーを多投し、強引に三振を奪ってきた。しかし今は違う。スライダーにこだわらず、直球を軸とした投球も展開し、チェンジアップも交える。「相手を見て、クレバーな投球を磨いていきたい」と課題は明確だ。

 制球力も向上した。昨夏の神奈川大会では1試合平均4・3あった四死球が今春の公式戦では1・0に減少。コーナーを攻めて打たせる楽しさも覚えた。5、6月の3度の九州遠征では土、日で連投を繰り返した。球数を減らすための「脱・奪三振」で、連投に耐える投球を研究している。

 この日の佼成学園(西東京)との練習試合で松井は代打出場のみで登板はなく、チームは8―3で勝利した。「初戦は一番いい状態で向かっていく」と野呂雅之監督。松井人気のため、神奈川県高野連は警備員の増員も検討している。怪物フィーバーに備え、周囲も着々と準備を進めていた。

続きを表示

2013年6月9日のニュース