大谷は投手?打者?吉村禎章氏「未完という点で投手の方が魅力」

[ 2013年6月2日 10:12 ]

<日・中>プロ初勝利を挙げた大谷

交流戦 日本ハム7-3中日

(6月1日 札幌D)
 プロ初勝利を挙げた日本ハムの二刀流ルーキー・大谷を、スポニチ本紙評論家の吉村禎章氏が分析した。

 完成度としては打者と比べてまだまだ低い。そのぶん、未完の魅力という点では投手の方が勝っている。投手・大谷はどこまで伸びていくのか。その成長の過程をじっくり見届けたいという思いにさせてくれる。 5回を4安打。1点ずつの3失点は犠飛2つと内野ゴロによるもので、あまり打たれた気はしない。安打も2本は完全に詰まった打球。だからこそもったいない。

 最大の魅力は長身から投げ下ろす真っすぐ。角度があって150キロを超す速球は外野までは飛ばせても、オーバーフェンスは難しい。もっと大胆にベース板の上へ投げ込めばいいのに慎重にコーナーを狙いすぎて力み、抜けたり、引っ掛けたりする球が多かった。

 打者は真っすぐしか待っていない。だからより慎重に、ということなのだろうが、投げた瞬間からコースが外れた球には手を出してくれない。思い切って投げ込んだ真っすぐなら真ん中高めでもファウルや空振りでカウントが稼げるし、極端な話をすれば、ど真ん中でも力で押せると思う。

 変化球の精度やセットポジションでのクイック投法など課題を探せばきりがないが、まずは大胆さと繊細さの配分。初勝利も挙げた。次回登板での変化に期待したい。

続きを表示

2013年6月2日のニュース