神様、仏様、益田様!ロッテ 12球団最速30勝 17セーブ目

[ 2013年6月1日 06:00 ]

<ロ・巨>ハイタッチで勝利を喜び合う益田(右端)らロッテナイン

交流戦 ロッテ4-3巨人

(5月31日 QVC)
 ロッテは31日、セ・リーグ首位の巨人に競り勝ち5連勝。両リーグ30勝一番乗りを果たした。終盤に追い上げを食らったが、9回は2年目の守護神・益田直也投手(23)が1安打無失点。2リーグ制以降では、「鉄腕」と呼ばれた稲尾和久(元西鉄)に並ぶプロ野球タイ記録となる月間18試合目の登板で、球団新記録の月間10セーブ目をマークした。今季は1点差勝利が13度。首位を快走するチームを、昨季新人王がフル回転でけん引する。

 益田は迷わず勝負を選んだ。1点リードの9回2死二塁で打者・坂本を迎えた場面だ。直前にベンチを飛び出した斉藤投手コーチに「坂本と(続く)矢野のどちらで勝負するのか」と聞かれ「勝負します」。気迫を乗せた1ボールからの2球目の速球。力ない右飛に仕留め、右拳を振った。

 「巨人戦で失敗していたので、やり返したい気持ちだった。失敗した後の登板が大事だと思っていたのに失敗して…。あの残像が抜けなかった」

 15日の同カード(東京ドーム)で9回に長野に逆転サヨナラ二塁打を打たれた。10日の楽天戦(QVCマリン)でも失敗し「精神的な疲れ」を感じた。あれから2週間。「試合で結果を残さなければ残像を消すことはできない」。17セーブ目は、守護神となって初めて当たった壁を突き破る意味があった。

 「記録に並ぶのだから恥じない投球をする」。そう胸に刻んで上がった5月18試合目。伝説の名投手、稲尾が56年9月に記録した2リーグ制後の月間最多登板記録に並んだ。そして月間10セーブ目は球団新記録だ。「稲尾さんは神様、仏様…と言われた方。僕が並ぶのは恥ずかしいが、この記録に恥じない投球をしたい」と胸を張った。

 昨年も72試合で新人最多登板記録をつくった鉄腕。その調整法は独特だ。試合前には、ほとんどキャッチボールをやらない。ブルペンでは15球以内で肩をつくる。何より「試合展開は追わない。8回まで気持ちのスイッチを入れない」という。「試合以外は全てオフ」という発想で、疲れを残さず、マウンドで爆発的な力を生んでいる。

 益田が9回に座るチームは5月だけで貯金12を積み上げ、12球団30勝一番乗り。伊東監督も「選手が頑張ってくれている。益田もよく抑えた。(この数字を)励みにして戦う」と言った。

 両リーグトップの17セーブは、年間ペースなら49セーブ。05年岩瀬(中日)、07年藤川(当時阪神)が持つプロ野球記録46セーブを上回ることになる。「やるからには1番になりたい。岩瀬さん、藤川さんのような“出てきたら終わり”と相手に思わせる選手になりたい」。クローザーという役割について「本当に楽しいですよ」と笑った。こんな頼もしい守護神がいる限り、快進撃は止まりそうにない。

 ≪今季17S≫益田(ロ)が5月18試合目の登板で今季17セーブ目。月間登板18試合は、56年9月の稲尾(西鉄)と並び2リーグ制後の最多タイ記録となった。月間成績は稲尾が先発6試合を含め74回2/3で6勝1敗(当時セーブ記録なし)、防御率1・44。益田は全て救援で1勝2敗10セーブ、16回で防御率3・94だった。またロッテで月間10セーブは、小林雅が01年5月、06年5月にマークした9セーブの球団記録を更新した。

 ≪先制すれば今季勝率.870≫ロッテが5連勝で昨季に続き両リーグ30勝一番乗り。初回に井口の2ランで先制したが、今季のロッテは先取点を奪った試合は20勝3敗1分け(勝率.870)。2点以上を先制したケースはこれで7戦全勝だ。なお、ロッテが50試合未満で30勝に到達したのは05年以来8年ぶり10度目。過去9度のうち3度の優勝を含め8度Aクラス入りを果たしている。また5月は17勝5敗1分け。チーム月間17勝以上は05年5月に17勝して以来でこちらも8年ぶりの快進撃になった。

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2013年6月1日のニュース