今度は年俸700万円!ロッテの“格安右腕”阿部が2勝目

[ 2013年5月30日 06:00 ]

<中・ロ>2勝目を挙げ、声援に応えるロッテ・阿部

交流戦 ロッテ3-1中日

(5月29日 ナゴヤD)
 こんなコストパフォーマンス抜群の男たちがいるから、ロッテは強い。育成出身の西野に続けとばかりに、今度は年俸700万円の「格安右腕」、6年目の阿部が5回1失点と好投した。

 「持ち味の打たせて取る投球で、何とか5回まで投げることができた。先発として最低限の仕事はできた」

 3回を除いて毎回走者を背負ったが、2併殺で中日の攻撃を断ちきった。光ったのは川崎憲次郎ブルペンコーチ直伝のシュートだ。1点リードの4回1死から森野に四球を与え、続く打者はセ・リーグ首位打者のルナ。初球の外角へのシュートで三ゴロ併殺に仕留めた。前回登板の22日の阪神戦(QVCマリン)はグライシンガーが右肩痛を発症したため、急きょ代役で先発し4回5失点。同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。「(シュートは)抜けたり引っ掛かったりしていたけど、川崎コーチから“死球になっても仕方ない”と言ってもらって楽に投げられた」。シュートの名手の助言で思い切って腕を振った。

 1歳年下で下積み時代をともに過ごしたもう一人の格安右腕、年俸440万円の西野に刺激を受けた。昨年11月に支配下登録され、今季5勝を挙げている西野。「2軍で一緒にやってきたので、活躍している姿を見るのが悔しかった」。テレビで西野が登板している試合を見ていても、勝ち星が付きそうになると電源を切った。翌日は新聞も手にしなかった。「6人目の先発投手ではなく、4人目、5人目にならないと。もう少し長いイニングを投げていきたい」。今季2勝目を手にし、首脳陣の信頼を勝ち取り始めている。

 チームは今季3度目の4連勝で貯金は11。あす31日からは本拠地でセ首位の巨人に臨む。「野球は年俸でやるものじゃない」が口癖の伊東監督は、「いい流れで戦えている。巨人戦に向けて弾みがついた」とまた一つ自信を深めていた。

 ◆阿部 和成(あべ・かずなり)1989年(平元)5月19日、福岡県生まれの24歳。小1から野球を始め、中学まで軟式。大牟田3年でセンバツ出場し1回戦敗退。07年高校生ドラフト4巡目でロッテに入団。プロ6年目の今季、5月6日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)でプロ初勝利。年俸700万円。1メートル83、71キロ、右投げ右打ち。

 ≪ロッテ平均年俸は12球団8位≫今季各球団の平均年俸(プロ野球選手会所属選手対象)を出すと、ロッテは12球団8位の3430万円。トップの巨人が6155万円となっており、2725万円も安い。また、中日も巨人に次ぐ5198万円の高額球団。この日の中日、ロッテの先発メンバー平均を見ても中日の1億2294万円に対し、ロッテは半額以下の5416万円だった。

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2013年5月30日のニュース