阪神　３度の満塁機生かせず零敗　和田監督「バタバタする必要はない」

＜神・楽＞５回、阪神・新井良は併殺打に倒れる

交流戦 阪神０－２楽天

（5月29日 甲子園）
　出るのは虎党のタメ息ばかり。猛虎打線は好機に、あと１本が出ない。阪神は楽天投手陣の前に散発６安打に封じられ、今季７度目の零敗を喫した。

　「８つかな、四死球。１本出れば、というところだったけどね。１本出れば大量点になるような展開だった。そういうふうにしていかないとね」

　試合後の和田監督のコメントも、どこか力なく響く。確かに好機は、何度もあった。そのうちの１度でもモノにできていれば、試合の流れは大きく変わったはずだった。

　初回は西岡、鳥谷、新井が四球を選び、２死満塁と先制機をつくったものの、新井良が三ゴロに倒れた。４回にも制球に苦しむ相手先発・戸村のボールを、各打者が冷静に見極めて３四死球で１死満塁と攻め立てたが、榎田、西岡が相次いで凡退。続く５回にはマートンのチーム初安打となる右前打などで１死満塁と本塁に肉薄するも、またもや新井良が６―４―３の併殺に打ち取られた。５回までに大量９残塁。まさに拙攻だった。

　３度の満塁機、５度の先頭打者出塁を、ことごとく得点に結びつけられず。好投の榎田を援護射撃できなかった。満塁で２度凡退の新井良は「２度の満塁機。あれがすべて。あそこがすべてでした。強引に行ってしまったというかね…」と唇をかんだ。４回２死満塁で二ゴロに倒れた西岡は「ミスショットです。野球はそういうもの」と、悔しさをかみ殺す。水谷打撃コーチは「（戸村は）どこへ投げるか分からんのやからな。投げてみな分からんし。あれにやられた。的を絞れなかった」と、相手の制球難にほんろうされる結果に天を仰ぐしかなかった。

　「まぁ反省の多い試合だったけど、そうそう、ウチが思っている通りにはいかない。まだ、バタバタする必要はない」

　本拠地で痛恨の連敗。とはいえ、まだ貯金８。指揮官にあせりはない。いや、悔しい敗戦を喫したからこそ、あえて泰然自若に振る舞ったのかもしれない。勝敗は兵家の常。落とした星は、取り返す。