矢野燿大氏、捕手目線で分析 慌てない大谷の前足に落合さんを見た

[ 2013年5月27日 09:00 ]

<神・日>6回、大谷は藤浪(右)から二塁打を放つ

交流戦 日本ハム1-7阪神

(5月26日 甲子園)
 注目が集まった大谷と藤浪のプロ初対決を、野球評論家の矢野燿大氏(44)が分析した。結果は3打数2安打で大谷に軍配が上がったが、そこには高卒1年目とは思えない両者の潜在能力の高さが垣間見えたという。捕手目線で見た2人の怪物ルーキーの凄さとは――。

 大谷は打ちにいくときの前(右)足がとても静かで、慌てない。少し大げさかもしれないが、落合博満さんをほうふつさせる動き。フリー打撃ではできても、試合で、ましてや150キロのボールに対してなかなかあの動きはできない。そういった前足の使い方ができるからこそ、どんな球種、コースにも対応できる。

 第3打席の右中間への二塁打も素晴らしかったが、第1打席の左飛も合わせるのではなく、しっかりバットを振り切っていた。体の内側からバットが出て、ギリギリまでポイントを引きつけることができる。「打者・大谷」の技術の高さをあらためて確認できた。

 そういう意味では投手、打者両方とも見ていきたい。逆に、これだけの打撃センスを見せられれば、首脳陣としてもどちらか一つに絞ることは難しいのではないか。

 大谷には2安打された藤浪だが、「この打席だけは抑えろ」という試合展開なら結果は違っていたかもしれない。最初の対決の時点で6―0と大量リードしていたこともあり、大谷には3打席で計12球を投げたが、うち11球が直球。大勢のファンに「魅せる」という捕手・藤井彰の演出、そして藤浪の意地を感じた。

 藤浪が「勝てる投手」であることを証明したのが、7回に代打・稲葉を迎えた場面。それまで自然にボールが動くことはあったが、この時だけは意識して外角へツーシームを投げた。最後はほとんど投げていなかったフォークで空振り三振。試合の中での対応能力がとにかく高い。

 登板間隔が空いたこともあってか逆球がいつもより多く、決して好調ではなかったと思う。ただ、それでも勝てるのが藤浪。甲子園での春夏連覇は偶然ではない。それは「投手・大谷」にはない、藤浪の最大の長所だ。

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