サヨナラ阻止したイチローの「2歩」9回スーパーキャッチ

[ 2013年5月27日 06:00 ]

<レイズ・ヤンキース>延長戦を逆転勝利し、ナインとタッチを交わすイチロー

ア・リーグ ヤンキース4―3レイズ

(5月25日 セントピーターズバーグ)
 ヤンキースのイチロー外野手(39)が25日(日本時間26日)、レイズ戦でサヨナラ負けの危機を救った。同点の9回1死二塁、右翼線を襲うライナーを好捕。打っても出場11試合ぶりのマルチ安打をマークし、チームは延長11回の末に勝利をもぎ取った。左手小指を骨折したカーティス・グランダーソン外野手(32)の長期離脱が決まったチームの苦境で、イチローが攻守に存在感を示した。

 高い確率に裏付けされた「2歩」がビッグプレーをもたらした。同点の9回1死二塁のピンチで、右翼のイチローは定位置より前に出た。ここまではセオリー。ただ、背番号31は同時に右翼線へ2歩ほど寄った。

 理由はこうだ。「右中間に(打球が)来たら終わり。全部をカバーするのは無理。ロバートソンの球筋と、あのバッターのスイングの軌道を考えて、ライン際の方が(可能性が)高いと判断してですね」。賭けだった。

 マウンド上には150キロ超の直球が武器のロバートソン。右打者が引っ張るのは難しい。加えて、打者エスコバルは中堅から右へ打つのが得意。すると、読み通り、右翼線に打球が飛んできた。

 鋭いスライス回転が掛かった痛烈なライナー。イチローはスライディングキャッチを試みた。これも賭け。「思い切れるでしょ。楽ですよ。(安打になれば)終わってしまうから、後のことを考えなくていい」。グラブを伸ばして捕球すると、スナップスローで即座に返球。慌てて二塁に戻る走者をクギ付けにした。

 この美技により延長戦にもつれ込み、11回の末に勝利をもぎ取った。ジョー・ジラルディ監督はゴールドグラブ賞10度の名手を絶賛。「(打球が飛んだ瞬間)ファンが“終わった”と言ったのが聞こえた。信じられないほど素晴らしいプレー」。イチローも「今までの経験を生かしたプレー。それが完璧にはまった気持ち良さというのはあります」と自画自賛した。

 バットでも出場11試合ぶりのマルチ安打。最近の低調な成績から、米メディアは起用に懐疑的な見方が多かった。雑音を封じるには、イチローにしかできないプレーを続けるしかない。その答えの一つを出した。

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