広島 丸弾!先制されると15連敗止めた「勝ちがついてよかった」

[ 2013年5月24日 06:00 ]

<西・広>7回2死二塁、2ランを放ちナインに迎えられる広島・丸(中央)

交流戦 広島6-2西武

(5月23日 西武D)
 完全復活を告げる豪打だった。広島は23日の西武戦(西武ドーム)に6―2で連勝。左ふくらはぎ打撲が癒え、前日22日から「3番・中堅」で先発復帰した丸佳浩外野手(24)がヒーローだ。4回に同点二塁打を放てば、7回には3号決勝2ランを中越えへ運ぶ、2安打3打点。投げては野村祐輔投手(23)が7回途中を7安打2失点(自責0)に抑え、2勝目を飾った。

 右翼を埋めた赤ヘル党の声援が心地よかった。先制されると15連敗中だったが、不名誉な記録を止めた背番号63。スタメン復帰2戦目で結果を出した丸は「昨日はいいところがなかったので、何とかしたかった。同学年の祐輔が投げていたし、勝ちがついてよかった」とし、笑顔を見せた。

 適時二塁打の中東に続いた。1点差に詰め寄った5回、なおも2死二塁の好機。1ボール2ストライクから野上が投じた、139キロ内角直球を右翼線へはじき返した。「前の打席(一ゴロ)と同じ球。何度もやられるわけにはいかない」。同点二塁打。進化の一打だった。

 丸の豪打は続く。同点の7回2死二塁の場面。マウンド上には2番手・涌井がいた。2ボール1ストライクからの129キロの甘いチェンジアップを叩くと、打球は前進守備を敷く外野手のはるか頭上を越え、バックスクリーンへと吸い込まれた。

 「チャンスだったし、甘い球は振ろうと思っていた。入るとは思わなかったけど、(外野を)越えたとは思った」

 代打逆転満塁弾を放った12日の中日戦(マツダ)以来となる3号決勝2ラン。目立つ場面での派手な活躍は6年目、今季の成長の証しだった。

 快打復活への分岐点はあった。4日の巨人戦。敵地で菅野の速球を右前打し、悩まされていた内角球克服の手応えをつかんだ。「うまく打てた。あのイメージです」。急降下した打率が、再び上昇カーブを描き始める。ところが、11日の中日戦で左ふくらはぎを打撲。「もったいない。危機感もありました」。正直な胸のうちだった。

 前日22日が8試合ぶりの先発復帰。この間「やれることはやった」。つかんだ打撃の好感触を忘れまいと、準備を怠らなかった。内角球を打った同点打こそ進化した姿。野村監督は「足はまだ100%じゃないけど、いい状態で帰って来てくれた」と24歳を称えた。

 「これから取り返したい。交流戦Vを目指してやっていきたい」。持ち前の俊足強肩に加え、広角打法を身につけた丸。押しも押されもせぬレギュラーになった。

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2013年5月24日のニュース