青木 年間201安打ペース!5月11度目マルチ「気分がいい」

[ 2013年5月20日 06:00 ]

<カージナルス・ブルワーズ>6回、右翼線に二塁打を放つブルワーズ・青木

ナ・リーグ ブルワーズ6―4カージナルス

(5月18日 カージナルス)
 ついに大台ペースだ。ブルワーズの青木宣親外野手(31)が、18日(日本時間19日)のカージナルス戦で2安打2得点。チームの連敗を4で止める延長戦勝利に貢献した。5月は16試合で11度目のマルチ安打。62打数27安打、打率・435と絶好調で、目標の年間200安打ペースに乗せた。日本人選手ではヤンキースのイチロー外野手(39)がマリナーズ時代の04年8月に記録して以来の月間50安打も、視野に入ってきた。

 やられたら、やり返す。青木の真骨頂だ。2点を追う3回2死二塁。カ軍リンの91マイル(約147キロ)を思い切り引っ張った。一塁強襲安打。次打者セグラの三塁打で同点のホームを踏んだ。

 「自分の中で作戦を立てて打席に立って、それがいい結果につながった」。相手の武器は重い速球で、初回は当てるような三ゴロに倒れた。昨季から5打席連続で凡退。逆襲は3回、1ボールからの2球目だった。始動を早くし、重い速球に体重を乗せて振り切った。9回、ムヒカからの右前打は「あの投手は70%がスプリット」と狙い通り、落ちる球を叩いた。

 3度出塁で2度生還し、連敗を4で止める勝利に貢献した。チームが最下位に低迷する中、5月は11度目のマルチで27安打と打ちまくっている。孤軍奮闘が実り「うまく(打線が)つながった。良いこと尽くしだった」と白い歯を見せた。

 入念な準備は2年目でさらに際立っている。全体練習前。クラブハウスの廊下で1人、黙々とストレッチを行う青木の姿があった。多くの選手がカードゲームや音楽鑑賞を楽しむ中で調整に専念。対戦相手のビデオ研究にも余念がない。日本でのブレーク前から「イチロー選手より小粒でもいいから、ああなりたい」と目標にしてきた師匠とダブる、ルーティンの徹底が背番号7を支える。

 5月は12試合を残しており、現在のペースなら月間47安打。イチローが04年に達成して以来届いていない50安打さえ射程圏に入った。さらに年間の安打ペースも201とし、「大台」に乗せた。「いつも通りしっかりプレーすることを心掛けた。実際勝ったし、気分がいい」。重ねた快音が報われる瞬間。それが、青木のエネルギーとなる。

 ≪スクタロは30安打≫昨季、大リーグで月間50安打をマークしたのはジャイアンツのカブレラ(現ブルージェイズ)だけで5月に51安打。今月はジャイアンツのスクタロが青木を上回る30安打を放っており、今月の残り試合は青木と同じ12試合。両選手の競り合いにも注目が集まる。

 ≪ヤクルト時代月間最多は44安打≫青木のヤクルト時代の月間最多安打は05年8月に記録した44本。この年にシーズン202安打をマークした。プロ野球記録はイチローが96年8月にマークした48本。

 ≪イチローは通算4度≫イチローは月間50安打を通算4度記録しており、うち3度が大リーグ新記録の年間262安打を放った04年。同年8月に1936年7月のロイ・ウェザリー(インディアンス)以来大リーグ68年ぶりとなる月間56安打をマークした。

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