畠山 球団史上初の逆転サヨナラ満塁弾

[ 2013年5月18日 06:00 ]

9回、逆転サヨナラ満塁本塁打を放った畠山(左端)を本塁で迎えるヤクルトナイン。右端は打たれたロッテ・松永

プロ野球 交流戦 ヤクルト6-5ロッテ

(5月17日 神宮)
 両手に残った感触。それだけでは確証を持てなかった。さらに、打球は照明とかぶった。ヤクルト・畠山の目に見えた時、左翼席に打球が届いていた。右手は自然に上がった。逆転サヨナラ満塁弾。野球人生初めて。球団にとっても史上初めてだ。

 「2軍で1回サヨナラヒットを打ったことがあるけど、そういうことは縁がないと思っていた。高校時代もサヨナラ打はない。最後は入れ!って祈っていました」

 2つの要因が後押しした。3点を追う9回無死満塁。2ボールとなったことで、狙い球を変えたことが一つ。「最初は内に入るスライダーを待ったが、2つ速球が外にボール。少し速球を中に入れたくなると考えた」。狙い通りの145キロ直球が真ん中に来た。もう一つは状況。「勝つなら犠牲フライも駄目。打つかどうか。最低限の仕事をしようと考える必要はなかった」。犠飛で1点を返しても、1死を与える。畠山を前向きにする要素がそろっていた。

 開幕4番も打率は2割前後と低迷、チームも6連敗中で最下位に沈む。責任感は力みにつながり、ボール球を追いかけた。考え方を変えた。「自分の待っている球を信じ打てる球を叩く」。さらに、バットが下から出ていた点も矯正。ヘッドを立て、上から叩く基本に立ち返った。開幕直後にスクエアに構えていた両足を昨年までのオープンスタンスへ。「悪い時に試行錯誤することも大事。今は打順のプライドも捨てている」と野球に真っすぐ取り組む。チームの窮地を救う一発。耳に届いていたファンのヤジは何十倍の歓声になって返ってきた。

 15日の西武戦(神宮)で初めて3月に生まれた長男が球場に来たが、スタメンから外れ、活躍する姿は見せられなかった。遠征先でも、連日携帯のメールに届く息子の写真を見て「励みになります」と語る。23日には同じ岩手県出身の日本ハム・大谷のデビュー戦で対戦も待つ。「そんなに意識はない」と話したが、この一発で満足するわけにはいかない。

 「打てたことが自信になる。チームも勝てたことが大きい。これをきっかけにしたい」。やり返す機会は、まだたっぷりと残っている。

 ▼ヤクルト・小川監督 投手を代えて失点して、俺の方がミスをして申し訳ないと思いますが、畠山に救われた。連敗を止めただけでは駄目。これから大事に戦いたい。

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