マー君 中5日フル回転だ!メジャースカウトの前で予行演習

[ 2013年5月17日 06:00 ]

交流戦での中5日起用に自覚十分の楽天・田中

 来季のメジャーへ、大デモンストレーションの夏だ。楽天・田中将大投手(24)が、次回登板の20日のヤクルト戦(Kスタ宮城)から「中5日」のローテーションで先発することが決まった。現在ハーラー単独トップの6勝。大黒柱としてチームのためにフル回転するのはもちろん、ポスティング・システム(入札制度)で来季移籍の可能性がある大リーグのスカウト陣に対し、メジャー同様の短い登板間隔での適応能力をアピールする絶好の機会となる。

 初夏。気温がぐんぐん上昇する中で、田中もエンジンの回転数を上げる。14日のDeNA戦(横浜)で6勝目を挙げた右腕の次回登板は、20日のヤクルト戦。佐藤投手コーチは「軸だからね。中5日で回ってもらわないと」との方針を示した。現在貯金3でリーグ3位のチームが、さらに上位を狙うためにも必要な「中5日」。佐藤コーチも「(プロに)入った頃は中6日だったかもしれないけど…。できるんだよ」と話すマウンドは、来年の夢舞台を想定すれば格好のデモンストレーションの場へ姿を変える。

 今オフにも入札制度を利用してメジャー移籍する可能性がある。今季、田中が登板する際には、ネット裏にレンジャーズやヤンキース、ドジャースなど大勢のメジャーのスカウトが集結。そんな中でここまでの登板間隔は、中6日が4度で中7日が1度。前回14日が初の中5日だった。今後は6月1日のDeNA戦(Kスタ宮城)まで、4試合連続で中5日で先発することが濃厚だ。

 「僕は普通にやるだけ。それ(登板間隔)に合わせてやるだけです」と田中。交流戦では移動日が多く、体調次第では6月6日のヤクルト戦(神宮)に中4日で登板する可能性もある。その全てが屋外。暑さや湿気、球場によって変わる環境の中、短い登板間隔で本来の力を存分に発揮できるか。田中本人はシーズン中は大リーグに関する話題を封印。あくまでチームのリーグ優勝、CS進出などへ向けて全力を傾ける覚悟でいる。一方のメジャー側からすれば、適応力などをチェックする絶好の機会となる。

 16日(日本時間17日)に先発予定のレンジャーズ・ダルビッシュは、基本的に中4日のローテーションを守って今季ここまで6勝。マリナーズ・岩隈、ヤンキース・黒田も5勝を挙げるなど、日本人先発投手は米球界で着実に結果を残している。仮に今オフに入札制度での移籍となれば、あるメジャー球団関係者が「各チームとも調査はしている」というように田中の評価もより高まり、入札額の高騰など激しい争奪戦となるのは必至だ。

 この日、田中はチームとともに遠征先の名古屋に新幹線で移動。ナゴヤドームでの全体練習には参加せず、オフの1日を過ごした。気温の上昇とともに、田中の夏も注目度がさらにアップする。

 ≪中5日は23戦で12勝≫田中が中5日以内で登板したのはプロ入り後26試合あり、そのうち24試合が先発。中5日が23試合で12勝5敗1セーブ、勝率・705を誇り、11年途中からは2完投を含む3連勝中。中4日は初体験だった08年10月1日の日本ハム戦(Kスタ宮城)で2回1/3、7失点KOされるなど2試合で0勝1敗。なお、09年の球宴前に中2日で救援登板しプロ2セーブ目を挙げている。

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2013年5月17日のニュース