岩隈 三振よりゴロの5勝!イチローも感心「丁寧に投げるよね」

[ 2013年5月17日 06:00 ]

<ヤンキース・マリナーズ>4回2死三塁、イチロー(左)を二ゴロに打ち取るマリナーズ・岩隈

ア・リーグ マリナーズ12―2ヤンキース

(5月15日 ニューヨーク)
 マリナーズの岩隈久志投手(32)が15日(日本時間16日)、ヤンキース戦に先発し、7回2失点で5勝目を挙げた。ヤ軍相手には通算3度目の登板で初勝利。5月は3試合連続で7回を投げ、3戦全勝と好調をキープしている。昨季途中まで岩隈の同僚だったヤ軍のイチロー外野手(39)は、メジャー自己ワーストに並ぶ5試合連続無安打となった。

 初回にうれしい7点の援護。ここで、岩隈の投球プランが決まった。

 「ストライク先行で、どんどん攻めていこうと思った。攻撃は長く、守備は短くと思っていた」

 普段以上にテンポを重視。空振りを取れるスプリットよりも、バットの芯を外すツーシームを多投した。今季最多の8安打を浴びたが、与えた得点はソロ本塁打2本による2点だけ。89球のうち60球がストライクと理想的な投球内容だった。

 遊撃手ライアンが「クマが試合を楽しくしてくれる。三振を取れるのにゴロを打たせる」と証言するように、その投球が野手陣のリズムを生む。5月のチーム7勝のうち岩隈が3勝。右腕は「しっかり7イニングを投げ、リズムをつくれてよかった」と喜んだ。

 3打席対戦したイチローも、岩隈に感心した。「状況がどうであっても、丁寧に投げるよね。去年の最初にしんどい思いをしていたからね。不用意な感じはしない、点差があっても」。1年目の昨季は中継ぎでスタート。大差の展開でも出番が回ってくることは少なかった。そんな中でも地道に肩の強化トレーニングに励み、メジャーの打者や試合運びを観察して学んだ。当時の努力が、現在の岩隈の下地となっている。

 岩隈は「最低限の仕事はできた。いい集中力で投げられた」と胸を張った。ヤ軍の黒田、レンジャーズのダルビッシュと競い合うように重ねた5勝目。シーズン15勝を超えるペースで奮闘中のサムライ先発トリオが、ア・リーグを盛り上げる。

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2013年5月17日のニュース