岩隈 安定4勝!ゴロ量産スプリット、同僚絶賛「彼は特別」

[ 2013年5月12日 06:00 ]

<マリナーズ・アスレチックス>7回を投げ終えモンテロ捕手(左)と笑顔で話をするマリナーズ・岩隈

ア・リーグ マリナーズ6―3アスレチックス

(5月10日 シアトル)
 マリナーズの岩隈久志投手(32)が10日(日本時間11日)、アスレチックス戦に先発し7回を4安打2失点で今季4勝目を挙げた。同地区ライバルに無四球、9奪三振の力投で今季自身初の2試合連続白星。被打率・167、WHIP(1イニングに出す走者の割合)0・74はともにレンジャーズのダルビッシュ有投手(26)を上回るリーグトップで、開幕から安定感ある投球を続けている。

 勝利でにぎわうロッカールーム。岩隈は笑顔も浮かべ、満足そうに試合を振り返った。

 「うまくストライク先行で攻められた。初回から点を取ってもらって、リズムに乗って7回までしっかりと投げられた」

 初回、先頭ジェイソに右前打を許したが、次打者から6回1死まで16人連続で凡退。6回は2点を失い、なおも2死二塁で4月2日の対戦で本塁打を浴びたセスペデスを空振り三振に斬った。

 「ああいうところでしっかり抑えられたのは大きかった」。これで被打率は・167。2位ダルビッシュとの差を2厘差に広げ、依然リーグトップだ。岩隈のようにゴロを打たせてとる投手は、打ち取った打球が野手の間を抜けることがある。そんな右腕が、被打率でリーグ上位に食い込むこと自体が異例といえる。

 強打者を翻弄(ほんろう)できるのは、スプリットの存在がある。この日も全95球中21球を投じ、7回は全てスプリットでアウトをとった。マスクをかぶったモンテロは「速球のようにきてベース付近で急に落ちる。いろんな動き方をするから受けるのは難しい」と明かす。ナックルのような不規則な落ち方をするため、捕手も捕球するのに一苦労の必殺球だ。

 岩隈はボールの縫い目に指先をかけて投げるため、開幕前に右手中指のマメがつぶれてからは投げるたびに痛みが増していた。それで早い降板を余儀なくされてきたが、これも完治し悩みも消えた。5勝を挙げているエースのヘルナンデスに匹敵する活躍。5月発売の球団誌では表紙を飾り、特集記事が組まれた。今やチームの「顔」だ。三塁手シーガーの「彼は特別。いつも試合を支配している」という言葉が、チームメートからの信頼感を示していた。

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2013年5月12日のニュース