ノリ「5月5日はやめよう」撤回 9回安打、古巣ナゴヤであと2

[ 2013年5月5日 06:00 ]

<中・D>9回1死、DeNA・中村は中前打を放ち通算2000安打まで残り2本とする

セ・リーグ DeNA11-1中日

(5月4日 ナゴヤD)
 今季初の2桁得点で圧勝の展開も、DeNA・中村は9回も打席に立った。1死から中前へクリーンヒット。ナゴヤドームで記録を達成したいとの気持ちの表れだった。3回2死二塁では2点目となる左前適時打を放っており、マルチ安打で日本通算2000安打まで2本とした背番号99は「最後の安打はでかい。あす(5日)決めたい」と宣言した。

 メジャーでの5本を加えた日米通算2000安打を達成したのは、1日のヤクルト戦(横浜)。その時は「5月5日はやめよう」とも話していた。5日は長嶋茂雄巨人終身名誉監督、元ヤンキース・松井秀喜氏の国民栄誉賞授与式と松井氏の引退セレモニーが行われ、国民の注目が東京ドームに集まるからだ。

 だが、今は違う。育成枠での契約からはい上がった中日時代の07年。日本シリーズでMVPを獲得した。「あの時のナゴヤドームの熱気は忘れない。チームが替わった今でもお客さんは温かい拍手を送ってくれる。ここで恩返しの2000安打を打ちたい」。対戦チームの谷繁もこの日1安打し、同じく大台にあと2本となった。「(2選手の)2000安打が同じ日はないと思う。僕が達成したら谷繁さんにも達成してもらいたい」とプロ野球史上初となるダブル達成の快挙も望んだ。

 相手は公私で付き合いが深く、尊敬する47歳左腕・山本昌。大記録の瞬間を目の前で見てもらうため、妻・浩子さんら家族を球場に呼び寄せる。チームは今季の土曜日は無傷の6連勝となり、3位に浮上。5日は2カード連続の勝ち越しがかかる。中村は「まずチーム(の勝ちが最優先)だけど」と前置きした上で、「昌さんとの対戦を楽しみながら達成したい。1打席目からフルスイングで全部本塁打を狙います」と力強く誓った。

 ≪稲葉と宮本は“奇跡”≫2000安打の同日達成は過去にないが、12年4月28日の楽天戦(Kスタ宮城)で達成した日本ハム・稲葉と、6日遅れの5月4日広島戦(神宮)で到達したヤクルト・宮本は、1976試合目での到達と、到達試合数が全く同じだった。稲葉と宮本はともに、94年にヤクルトに入団。長い歳月を経て重なり合った「奇跡」だった。

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