ラヘア 好調秘密はオムレツ打法「リラックスするため」

[ 2013年5月3日 06:00 ]

<ソ・西>6回2死満塁、中前2点適時打を放ったソフトバンクのラヘア

パ・リーグ ソフトバンク7-5西武

(5月2日 ヤフオクD)
 初めて披露した日本語は博多弁だった。2試合連発となる右中間8号ソロに、決勝の中前2点適時打まで放ち2安打3打点。4番の仕事を全うしたソフトバンクのラヘアは、お立ち台で突然、絶叫した。

 「フクオカ、チョー、スイトウバイ!」。1月の来日会見では日本語でのあいさつをやんわり拒んだシャイな男が、松田の「仕込み」があったとはいえ「福岡を凄く好き」の意味の博多弁で球場を沸かせるまでになじんだ。

 08年のマリナーズ時代に、当時レッドソックスの松坂からメジャー初安打。昨季は16本塁打でオールスターにも出場した。通算打率・098と左腕を苦手としていたが、日本では左腕に対し打率・368。6回2死満塁からの決勝打も左腕・武隈の128キロスライダーを捉えた。「日本のスタイルでやるようにした。自分には打ちやすい球は来ないと考えた。得点圏では大きなスイングをしない」と振り幅をコンパクトにしたことで左腕の変化球を克服。4月28日のロッテ戦(QVCマリン)で4番復帰以来、チームは2度目の4連勝だ。

 「打席ではリラックスするため、毎朝、奥さんのつくるオムレツのことを考えている。きょうはチーズ、トマト、ブロッコリーを入れ、ケチャップをかけたやつだったよ」とニヤリ。ニコール夫人の手料理を思い浮かべ、無心で打席に立っていることも好調の要因だ。

 「ラヘアはずっと状態がいいね」と秋山監督も満足顔。3月29日の開幕楽天戦(ヤフオクドーム)以来、34日ぶりの貯金1。ラヘア自身も25打点とし、リーグトップに躍り出た。日本の野球に順応した主砲は、好調な他チームの助っ人に劣らず勝負強い。

 ◆ブライアン・ラヘア 1982年11月5日、米マサチューセッツ州生まれの30歳。ホリーネームセントラル高―セント・ピーターズバーグ大を経て02年ドラフト39巡目でマリナーズ入り。3A通算123本塁打。08年にメジャーデビュー。10年にカブス移籍。昨季はメジャーに定着し、オールスターにも初出場した。メジャー195試合、打率.260、21本塁打、56打点。1メートル96、109キロ。右投げ左打ち。

 ≪セパ3部門み~んな助っ人≫2日現在、両リーグの打撃3部門3傑をみると外国人選手がズラリ。特に3部門の1位は全て外国人で占められている。また、打率は両リーグとも外国人が1~3位を独占しており、パワーだけでなく、確実性も兼備していることが分かる。昨季はバレンティン(ヤ)が本塁打王、李大浩(オ)が打点王を獲得したが、打率の最も高かった外国人はセではミレッジ(ヤ)の.300(5位)、パでは李大浩の.286(10位)。まだ開幕して1カ月あまりだが、ここまで外国人選手の打撃に粗さは見られない。なお、過去に両リーグの打撃3部門(計6部門)を外国人が独占した例はなく、89年セ2、パ3、92年セ3、パ2、99年セ3、パ2と計5部門が最多。

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2013年5月3日のニュース